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06月21日-05号

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  1. 岡山市議会 1994-06-21
    06月21日-05号


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    平成 6年 6月定例会    平成6年6月定例岡山市議会    議 事 日 程  第5号       6月21日(火)午前10時開議第1 個人質問 甲第132号議案~甲第169号議案      …………………………………会議に付した事件 日程第1 個人質問      甲第132号議案~甲第169号議案(質疑)      ──────〇──────出席議員(50人)           1番  定 政 猛 男君           2番  華 房 美 衛君           3番  楠 木 忠 司君           4番  寺 田 和 子君           5番  近 藤   昭君           6番  藤 岡 康 博君           7番  串 田   務君           8番  浅 野 卓 志君           10番  奥 野 三四志君           11番  佐々木 清 巳君           12番  石 原 奐 治君           13番  土 肥 啓 利君           14番  宮 武   博君           16番  則 武 伸一郎君           17番  高 津 利 明君           18番  井 村 嘉 久君           19番  羽 場 頼三郎君           20番  吉 田 政 司君           21番  伏 見 昇 男君           23番  板 野 和 昭君           24番  梶 原 昌 一君           25番  垣 下 文 正君           26番  有 井 靖 和君           27番  堀 川   進君           28番  亀 井   章君           29番  片 岡 五百樹君           30番  辻 野 喬 雄君           31番  田 畑 賢 司君           32番  崎 本 敏 子君           33番  藤 沢 和 弥君           34番  景 山 貢 明君           35番  小 川 晴 雄君           36番  大 橋 英 雄君           37番  宮 川 日 吉君           38番  川 田 敏 幸君           39番  山 田 録二郎君           40番  河 合 和 成君           41番  磯 村   博君           42番  脇 本 一 郎君           43番  山 田   勇君           44番  福 原 弘 子君           45番  小 林   勉君           46番  新 谷 盈 智君           47番  苦 水 重 徳君           48番  内 田 宏 哉君           49番  高 木 悦 夫君           50番  貝 原 信三郎君           51番  太 田   稔君           52番  藤 原   貢君           53番  小 橋 留 男君      …………………………………欠席議員(2人-欠員2)           22番  鈴 木 邦 彦君           54番  花 岡   薫君      ─────────────説明のため出席した者      市     長  安 宅 敬 祐君      助     役  高 島   進君      収  入  役  三 宅   襄君      参     与  山 本 俊 介君      参     与  安 井 英 二君      参     与  井 上 忠 夫君      総 務 局 長  菱 川 公 資君      参     与  小 田 廸 子君      財 政 局 長  加 藤 憲 幸君      保 健 福祉局長  芝 野 浩 和君      参     与  中 村 清 司君      環 境 事業局長  馬 場 克 彦君      経 済 局 長  山 本   宏君      都 市 整備局長  水戸川 将 行君      参     与  同 前 喜八郎君      参     与  木 野 義 明君      下 水 道 局 長  佐 藤 泰 治君      西 大 寺支所長  出 羽 蓉 治君      水道事業管理者  遠 藤 嘉 昭君      消 防 局 長  加賀谷 益 治君     選挙管理委員会      委     員  南 石 元 久君      事 務 局 長  天 久 嘉 弘君     監 査 委 員      委     員  槌 田 邦 夫君     農 業 委 員 会      会     員  小 若 敬 二君     教 育 委 員 会      委  員  長  藤 原 静 雄君      委     員  高 田 武 子君      教  育  長  奥 山   桂君      ─────────────出席した議会事務局職員      局     長  中 川 和 彦君      次     長  小 坂 夏 彦君      次     長  長 尾 栄二郎君      議 事 課 長  斎 藤 泰 清君      調 査 課 長  広 内 芳 宏君      午前10時5分開議 ○副議長(串田務君) 皆さん御苦労でございます。 これより6月定例市議会第5日目の本会議を開きます。 ただいまの御出席は37名であります。      ───────────── ○副議長(串田務君) 会議録署名議員に梶原君,崎本君のお二人を指名いたします。      ───────────── ○副議長(串田務君) 本日の議事日程は個人質問並びに甲第132号議案から甲第169号議案までの38件の議案についてであります。      ──────〇────── △日程第1 個人質問(甲第132号議案~甲第169号議案)      ───────────── ○副議長(串田務君) 日程に入ります。 日程第1は個人質問並びに甲第132号議案平成6年度岡山市一般会計補正予算(第1号)について以下38件の議案についてであります。 これらを一括上程し,個人質問を行います。 それでは,順序に従いまして片岡君。     〔29番片岡五百樹君登壇,拍手〕 ◆29番(片岡五百樹君) おはようございます。梅雨の合間になっております。さわやかにやれという激励がございますので,さわやかにやりたいと思います。 私は通告に従いまして,第1に道路行政の諸問題についてであります。 (1)道路計画は全面的に見直しを。 我が国では都市計画といえば道路計画と言われるほど,車社会の進行の中で道路中心の都市づくりがされてきたわけであります。しかし,莫大な公共事業費をつぎ込みながらも,有料の高速道路網は着実に整備が進んでおりますが,本市では市街地の都市計画道路は,国道,県道,市道計画はいずれも遅々として進んでいないのであります。しかし,道路計画が必ずしも必要な道路か甚だ疑問のあるものも多くあります。そこで長期間事業化の見通しもない,不必要でしかも不可能で非効率的な計画について,またその反面,環状道路や市街地へのアクセス道路など,早期に事業化をしなければならない等の計画道路を全面的に再調査,見直しをしなければならない時期に来ておると思うのであります。 そこで質問のその1は,計画道路の総延長と現在の総事業費,完了所要年数,またそのうち特に環状道路,外,中,内についての事業完了時期についてお示しをいただきたいと思います。 その2,計画決定後20年以上,長期間にわたって事業化の見通しのない道路,また移転費用と買収費用が莫大にかかる非効率的な計画道路について,廃止や変更も含め再調査と見直しをすること,また交差点改良や待避道路などによる道路改良で改善できるものについての検討をすべきと思うわけでありますが,御見解をお示しいただきたいと思います。 その3,市内舟橋町Gホテルがホテル経営の存亡にかかわる問題だとして,計画道路津島・飛行場線,幅36メートルが敷地内を占めているため増築もできないとして裁判に訴えておりますが,飛行場線としての交通量もなく,すぐ10メートル離れた両端に県道と広い市道があるにもかかわらず,建物の並んでおるその真ん中をなぜ計画道路を通さなければならないのでしょうか。また,国道2号線旭川大橋のすぐ下に大橋をかける都計道路福成・沖元線は道路認定までしておるわけであります。このような必要性も合理的理由もない計画道路の見直しができない理由をお示しをいただきたいと思います。 その4,道路よりも都市環境,公園,緑化,文化施設など,都市公共施設及び交通手段を重視する都市計画に視点を変える時期にあると思うわけでありますが,どうでしょうか。 (2)開発団地の公共施設,道路等の帰属についてであります。 都市計画法第40条は,開発許可を受けた住宅団地などの場合,新たにできた道路,公園,広場,下水道,水路などは開発完了の公告の翌日に国または地方公共団体に土地と施設は帰属する,と規定をしておるわけであります。 そこで質問のその1は,本市ではこの法規定をどうされておるのでしょうか。もしそのとおりにされてないのであれば,その理由と措置されていない開発公告完了後の件数を明らかにしていただきたいと思うわけであります。 その2,団地の住宅も建ち,すべて工事が完了していながら,帰属の措置がされてないものが多くあります。例えば大きな団地では,妹尾駅南団地等でありますが,本市と開発者の間で開発許可の協定等を結ぶか,約定を提出させ明確な措置ができるようにすべきであると思います。御見解をお聞かせください。 その3,この都市計画法第40条は,従前の公共施設を廃止をし,新たな公共施設を設置する際の土地の交換についての規定であります。しかし,本市が団地開発の行政許可や指導に臨む姿勢が,ややもすれば開発者の思うままにされており,関係地権者や周辺関係者との不信やトラブルの原因となっておるわけであります。妹尾駅南団地の場合を例にとりますと,前開発者のH社と関係地権者は道路形態の合意をしていたものが,K社になってほごにされて,農用地に接続する道路が2メートル幅の道路を承認するなど,開発の目的に反する公共施設となっております。しかも,本市の担当の責任者がそれを承認をしてしまうというようなことになっております。 また,従前に多くあった公共の水路や遊水池が狭められ,開発者名義に移転登記がされながらも,新たな公共施設である道路等は公告完了後,数年経ても帰属も認定もされないで,道路台帳は白紙で記載されてない等,開発者の思うままにされておるというのが現状であります。 道路位置指定の場合の認定基準は,明確な指導がされながら,団地開発については指導基準もないのでしょうか。行政が主体性を持った開発基準を持って指導や誓約書の提出を求めるべきと思うわけでありますが,御見解をお示しいただきたいと思います。 (3)団地開発者が倒産をし,法人が解散をしている市道認定についてであります。私有道路の所有者が倒産をし,土地の所有者も法人の清算人もいない私道の住宅団地の場合,道路や水道の維持管理に市民が大変困っておる例が多くあります。このような場合,どのような手続があれば市道認定がされるのか,お知らせいただきたいと思います。 (4)市有道路と私有地の併用道路の舗装等については,基準をつくって対処されるとのことでありますので,質問を省略いたします。 第2,岡山城築城400年関連事業の基本構想と組織体制についてであります。 市長は本議会の所信表明でこの事業について,21世紀には政令指定都市へと発展をさせるために,新しい都市づくりとしてソフト,ハードの事業を進めていく旨,この事業の目的,ねらいを表明されたわけであります。しかも,先日の新聞報道では去る6月13日に事業推進協議会の準備会がホテルで開かれたと報道されております。その記事によれば,推進協議会の準備会の理事,委員,39名が出席をし,安宅市長が,築城400年を21世紀への都市づくりの道標として位置づけ,新しい都市づくりに取り組みたいとあいさつ。理事,委員に委嘱状を手渡し,会長に大藤真吉備国際大学長を選んだ。その後,市当局から記念イベントなどの事業案が示された。また,この会で基本構想をまとめ,9月ごろまでに推進協議会を発足をし,本年度末までに基本計画をまとめたい考え,と報道されておるわけであります。 そこで質問のその1は,この事業のこれまでの経過は,市制100周年記念事業の目的や取り組みによく似ており,うり二つであります。チボリ問題のような,市政を混乱させたような市民や市議会不在,一部ボスの密室取引の再現を心配する声を聞くわけでありますが,市民本位に運営される保証があるのかどうか,お聞かせをいただきたいと思います。 その2,この会に既に事業案を示しているようでありますが,市当局の基本構想,基本計画,事業案,体制等のすべてを明らかにしていただきたいと思います。 その3,市長はこの事業を通して21世紀に向け,新しい都市づくりにすると本会議の所信表明をされておりますし,またこの会のあいさつでも述べておられるわけでありますが,岡山市には第3次総合計画としての基本構想,基本計画が既に策定をされ,それに基づいて年次ごとの実施計画によりまちづくりを実施しているわけでありますが,この築城400年事業の新しいまちづくりというのは,どういう性格や計画があるのか。また,総合計画との整合性について御明示をいただきたいと思います。 その4,平成4年度から6年度の実施計画では,岡山城関係では文化財の保護,活用の中で,城跡の保存整備として石垣の測量,本丸の発掘,内堀の浚渫などがありますが,築城400年関連事業はどこから,まただれの提案で,どんな協議で具体化がされてきたのか,明らかにしていただきたいと思います。 第3,旧日銀の保存と歴史博物館についてであります。 基本計画の平成6年までの実施計画には,総合歴史博物館の建設が明記をされております。基本構想の策定,基本調査を実施するとあるわけであります。この事業については,私はたびたび質問をしてまいりましたが,長年にわたってあいまいなたなざらし答弁でありました。 まず質問の1は,岡山県には県にも市にも歴史博物館らしいものはありません。これは全国的な恥ではないかと思うわけであります。今日ではどんな小さな市や町でも博物館があります。私は築城400年事業よりも重要な本市の総合歴史博物館の建設こそ最重点でなさらなければならないと思いますが,市長と教育長の御所見を明らかにしていただきたいと思います。 その2,本市には原始,古代の水田経営や吉備時代の巨大古墳で明らかな強大な権力の発生,中世の産業や荘田跡,戦国から近世にかけての封建領主,大名の発生,築城と城下町の形成,池田藩の新田開発と徳川幕府の封建政治,そして明治維新以後の天皇制と日本資本主義の富国強兵,侵略戦争と敗戦,アメリカの占領と大資本の高度成長社会と国民生活の問題など,過去をたどることは現在から未来への人間社会と世界と地球の進むべき道を知ることにもなるわけであります。今日の郷土と人間の歴史を学ぶことの重要性を認識をして,総合歴史博物館建設について,なぜ今日までおくれたのか,その理由,今後の建設計画と日程を明らかにお示しをいただきたいと思います。 その3,旧日銀の保存についてであります。作家の永井荷風は49年前の昭和20年に東京と神戸で米軍の空襲によって戦災に遭い,その年の6月12日に岡山に逃げてこられました。そして,戦災直前の岡山の町を見聞をし,また29日の早朝,岡山空襲にも遭っておりますが,そのことを有名な日記「断腸亭日乗」に書いておられます。6月29日の一節には,城址を歩み,櫓の下にいづ。追手らしき城門の石垣に密着し,広大なる国民学校の校舎,工場のごとく城壁の間に屹立するあり。いまこれによって四辺の光景を観察するに,岡山の市民は明治廃藩の後この地特有の史跡を珍重するの心なく,乱雑に家屋を建設をし,毫も市街の美観と品位とについて考慮することなかりしを知るに足るべしと,当時の岡山市の史跡破壊を批判をしているわけであります。 このような史跡破壊を繰り返さないことを願って,これまでも私は議会で文化財の保存を主張してまいりましたが,旧日本銀行岡山支店の建物は,大正時代の県内産石づくりによる古代ギリシャ風の建築であり,49年前の岡山空襲の戦災にも焼け残った,今日では唯一と,ただ一つと言ってもよい歴史的な建造物であります。県知事はこの由緒ある建造物の上にかぶせるように十数階の県立図書館ビルの建設構想を強行しようとしてまいりましたが,しかし県民の反対と建築上の問題もあって断念したと言われておるわけであります。 そこでこの日銀跡地と建物を本市が県から譲り受けて,歴史博物館か平和資料館,また美術館等,何か保存活用すべきと思いますが,どうでしょうか。 第4の質問は,四御神団地の造成工事と覚書問題であります。 この団地は,第1期工事を昭和43年から56年までに14年間かけて造成面積8.5ヘクタール,分譲宅地154区間,公営住宅318戸を完成をいたしました。1年平均の完成数は,造成面積はわずか0.6ヘクタール,分譲宅地は11区画,公営住宅は23戸,第2期工事は昭和57年から平成3年まで10年間かけて7ヘクタール,分譲宅地102区画,公営住宅285戸,1年平均では造成が0.7ヘクタール,分譲宅地10区画,公営住宅28戸,第3期その1は昭和59年から平成4年度まで9年間に造成面積2.6ヘクタール,分譲宅地61区画であり,1年平均では造成面積0.28ヘクタール,分譲宅地7区画であります。 さて,質問のその1は,この造成テンポでは民間会社であれば倒産であります。なぜこんなにひどい,遅遅として進まない宅地分譲と宅地造成になったのか,その理由を明らかにしていただきたいと思います。 その2,昭和44年10月1日付で当時の岡山市長岡崎平夫と四御神団地造成推進委員会委員長安井元義の間で開発についての覚書が結ばれておるわけであります。この覚書には,団地から国道2号線まで6メートル以上の直通道路の新設,団地内に保育所か幼稚園の新設などの約束があります。また,その他部課長サイドの覚書がまだあるようだと言われておるわけですが,これら覚書の地元の実施要求を明らかにしていただきたいと思います。 その3,この事業の今日までの総事業と収支決算などの中間総括と残された開発計画と実施期間,その問題点をこの際明らかにしていただきたいと思います。 その4,当初の計画が大幅に遅延した理由と地元折衝の問題点についての反省を今後に生かすためにも,問題点について明らかにしていただきたいと思います。 以上です。(拍手) ○副議長(串田務君) 当局の答弁を求めます。     〔市長安宅敬祐君登壇〕 ◎市長(安宅敬祐君) 片岡議員の個人質問に対しまして御答弁申し上げます。 岡山城築城400年関連事業についてのお尋ねでございますが,チボリ問題のような市民,市議会不在のないようにという御指摘でございます。築城400年関連事業は,平成9年,1997年には岡山発祥の地と言われる岡山城の築城400周年を迎え,さらに平成12年,2000年には後楽園築庭300周年という記念すべき年を迎えることから,それぞれの節目を21世紀への道しるべと位置づけまして,ソフト,ハードの両面から事業を展開して,本市の新しいまちづくりに取り組んでいこうとするものでございます。 この事業は,計画の段階から市民参加を基本に進めていくものであり,既に「市民のひろば おかやま」で事業についての市の考え方を示し,記念事業についてのアイデアや提言を広く募集するとともに,市民参加の推進組織として各界各層からの参画を得て,去る6月13日には岡山城築城400年関連事業推進協議会(仮称)設立準備会が39人のメンバーで発足し,これから事業の基本構想の策定に取り組んでいただくことになっております。 また,市議会につきましては,これまでに総務委員会協議会及び都市整備・観光対策調査特別委員会において,事業の取り組みについて説明もしており,設立予定の推進協議会(仮称)には市議会も含め幅広い分野からの参画もお願いすることを考えております。 それから,市当局がこれまでに示した基本構想,基本計画,事業案,体制等についてのお尋ねでございますが,先般発足しました設立準備会では,設立準備会の主たる業務となる事業の基本構想を策定していただくための一つのたたき台として,市の考え方を示しております。 その中では,1つは岡山城築城400周年,後楽園築庭300周年を21世紀への道しるべと位置づけ,21世紀に向けて岡山をつくり出す新しいまちづくりとしての事業を行いたいということ。2つ目は,事業の計画実施に当たっては,市民,各種団体,事業者,関係機関,行政が一体となって取り組む推進組織を設置したいということ。3つ目は,築城400年に関する記念イベントについては,平成9年の1年間で実施し,それに向けて平成6年度から準備を進め,プレイベント等の開催により話題づくりにも取り組むとともに,平成12年の後楽園築庭300周年も視野に入れて取り組みたいということ。4つ目は,事業としてはソフト事業では統一テーマの設定,キャッチフレーズやシンボルマークの公募等を行い,平成9年においては岡山の特性を生かした市民参加のイベントを年間を通して市内全域で行い,ハード事業につきましては長期的な取り組みも必要でありますが,既に計画が策定されております岡山城跡保存管理計画や,後楽園周辺整備基本計画を中心に取り組みたいことといった考え方を示しております。 基本構想を肉づけした基本計画につきましては,設立準備会を母体として,さらに幅広く各界各層の方々の参画を得て発足する予定の推進協議会(仮称)で,平成6年度中に策定を終え,平成7年度は実施計画の策定を考えております。市としましては,そこでの審議の素材として適宜市の考え方を示していきたいと考えております。 また,この事業が市政のさまざまな分野に関係することから,市役所内部の全庁的な推進体制として,岡山城築城400年関連事業推進会議を設置しまして,企画室の築城400年関連事業担当を中心に事業の円滑な推進に取り組んでいく考えでございます。 それから,総合歴史博物館の建設についてのお尋ねですが,総合歴史博物館の建設は,第3次総合計画実施計画グリーンライフ岡山の創造で重点施策に位置づけ,調査検討を行っているところでございます。 今後,基本構想の早急な策定に努めるとともに,これらを踏まえて建設に向けて努力してまいりたいと考えております。 なお,その他の御質問につきましては,担当局長,参与から順次御答弁さしていただきます。 ◎都市整備局長(水戸川将行君) 私の方から道路行政の諸問題についての御質問にお答えしたいと存じます。 まず,都市計画決定されている道路の総延長等にかかわります質問でございます。現在,岡山市内で計画決定されている都市計画道路は総延長約311キロ,改良済みが149キロでございまして,改良率が約48%でございます。このうち岡山市の施行予定分につきましては,総延長が約120キロ,改良済み56キロでございまして改良済み率が約47%,そういう状況でございます。 今後の道路整備につきましては,国,県,市がそれぞれ分担しながら進めてまいりたいと思いますが,岡山市施行分につきましては,道路整備5カ年計画であります「グリーンロード・オカヤマ アクセス21」に基づきまして着実に整備を進めてまいりたいと考えております。 また,国,県の施行分につきましては,今後とも関係方面に早期整備を強く要望してまいる所存でございます。 次に,事業化の見通しのない道路,あるいは事業費が莫大な非効率な計画道路について廃止等の見直しはどうかという御質問でございます。都市計画道路は将来のまちづくりの根幹をなす道路として計画決定がされているものでございます。これは都市計画法によりまして,健康で文化的な都市生活や機能的な都市活動を確保するため,将来にわたって適正な土地利用を図られることを基本理念として決定されているものでございまして,基本的にはその変更は困難ではございますけれども,今後の市街地の動向や予測交通量に変化を生じた場合には,適宜必要に応じ見直しを行ってまいりたいと考えております。 次に,必要性も合理的理由もない計画道路,特に御指摘の路線につきましては,津島・飛行場線,あるいは福浜・江崎線でございますが,その見直しについてはどうかということでございます。都市計画道路津島・飛行場線は,津島南二丁目を起点,浦安南町を終点とする延長約14.35キロ,幅員が16メートルから36メートルの都市計画道路でございます。本路線も重要な機能を担う幹線道路として計画決定されておりまして,議員御指摘の舟橋町付近につきましては,飛行場へのアクセスのみならず,南部地域と中心市街地の重要な連絡機能を担うものとして必要な道路と考えております。 また,都市計画道路沖田・福成線,これは市道で申しますと福浜・江崎線に当たるわけでございますけれども,この道路につきましても,岡南地域と旭川以東の操南地域とを結ぶ重要な補助幹線道路として計画決定されているものでございます。 次に,道路よりもむしろ都市環境,公園,緑化,文化施設などの都市公共施設に視点を変えてはどうかという御質問でございます。道路は人や車の通行空間としてだけではなく,街区の形成,上下水道,電気等,都市のライフラインの設置空間として,また良好な都市景観の形成や都市の防災等のさまざまな都市活動を支える最も根幹的な都市施設でございまして,今後とも着実な整備が必要であると考えております。 一方,近年公園,文化施設など人にやさしく,生活者重視のまちづくりも求められておりまして,今後とも市民のニーズ等に十分配慮しながら,均衡のとれた快適で質の高いまちづくりを進めてまいりたいと考えております。 次に,団地開発者が倒産し,法人が解散してる場合の市道認定についての御質問でございます。市道認定の条件といたしましては,道路敷地が岡山市に移転登記されるものでなくてはなりません。御質問の事件の解決策といたしましては,商法第122条の規定に基づきます清算人を選定し,移転登記の手続を行うことが必要であると考えております。 以上でございます。 ◎参与(安井英二君) 築城400年事業に関連しまして,まちづくりの性格とか,あるいは総合計画との整合性についてのお尋ねでございます。岡山城築城400年関連事業は,単なる一過性の催事とは異なったイベントも含めたまちづくりのための新しい,また息の長い市民参加の仕組みをつくり,展開していきたいと考えております。したがって,市民,各種団体,事業者の方々を初め多くの人々の主体的な参画をいただき,ソフト,ハードの事業を通じて21世紀の新しい岡山を創造していきたいと考えております。 また,総合計画との関連でございますが,これまでに策定されている基本計画や実施計画に示されている関連事業は継続して実現を目指していくとともに,今年度は平成7年度から9年度までの新3カ年実施計画を策定することになっておりますが,400年関連事業につきましては,この計画の中に位置づけ,取り組んでいく考えでございます。 次に,築城400年関連事業はどこから,まただれからの提案でどのような協議してきたのかというお尋ねでございます。3年後に岡山城築城400周年を迎え,さらにその3年後に後楽園築庭300周年という記念すべき年を迎え,その翌年は西暦2001年の21世紀を迎えるということから,これからのまちづくりを考えるとき,平成5年度にグリーンライフ岡山まちづくり長期展望調査の一環として行いました「あすの岡山への提言」「まちづくりフォーラム」「岡山21世紀まちづくり委員会」などの提言も踏まえ,岡山市としてはその記念の年を契機とするとともに,これまで市民,県民に広く親しまれている岡山城,後楽園を岡山のシンボルとしてとらえ直し,全国に情報発信していくべきだということから,準備期間を勘案して新規事業として今年度から取り組むことにしたものでございます。 以上です。 ◎参与(同前喜八郎君) 開発団地の公共施設の帰属に関連いたしまして,一連の御質問に御答弁申し上げます。 まず,帰属についてのお尋ねでございます。御指摘のとおり,公共施設の帰属につきましては,原則として公告の日の翌日において当該公共施設を管理すべきものに帰属するものとするとなっておりますが,いまだ大部分がなされておりません。開発許可を受ける場合,都市計画法第32条により公共施設の管理者との協議が必要とされておりまして,その中で帰属するまでは開発者が管理するとなっております。 また,都市計画法以外に各管理者が帰属条件を設定しておりまして,完了公告時には条件の整わないものもあります。今後とも法に規定するとおり,帰属が早期に進められるよう業者指導等をどのようにしていくべきか,関係機関と協議してまいりたいと考えております。 次に,開発許可の協定等を結ぶか,約定を提出する措置についてのお尋ねでございます。開発者に帰属先との認定条件が整い次第,早急に帰属手続をとるように指導しているところでございますが,御指摘の本市と開発者との間で協定を結ぶか,約定を提出させる等の措置につきましては,今後検討してまいりたいと考えております。 次に,団地開発の開発基準をもっての指導や誓約書の提出についてのお尋ねでございます。開発許可では,都市計画法第33条で開発許可の技術基準が定められておりまして,これに従って審査いたしております。 また,帰属先の管理者とも十分に協議するように指導しております。 続きまして,四御神団地に関連いたしましての一連の御質問に御答弁申し上げます。 まず,なぜ進まない分譲宅地事業になったのかというお尋ねでございます。当初は203ヘクタールもの膨大な大規模団地を計画いたしまして,昭和43年度から計画区域内で用地買収が進められました。この団地計画にあわせ公共下水道の認可を得て,終末処理場の建設に取りかかりましたところ,工事差しとめの住民訴訟が提起され,この工事は断念することで和解いたしておりますが,この結果,大幅な変更をせざるを得なくなり,団地面積は29ヘクタールに縮小されました。また,当初の全体計画により,用地買収が進られ,結果的には虫食い的な用地取得の状況で,宅地造成分譲事業が行われましたことが事業をおくらした大きな原因であると考えております。 次に,覚書についてのお尋ねでございます。議員御指摘の覚書で当時の市長との約定内容につきましては存在いたしておりますが,大規模団地計画を前提として当時交わされたもので,6メートル道路の新設,保育所または幼稚園の新設等の条件は団地計画の大幅な変更,すなわち事情の変更によりまして,地元といたしましてはおおむね現状で御理解いただいており,現在,四御神団地推進委員会は閉鎖された状況でございますので,委員会との約束事は終結いたしております。 また,地権者との覚書につきましても存在しておりましたが,民事調停などで解決し,残りはおおむね交渉により御理解をいただいていると考えております。 続きまして,この事業の中間総括と開発計画,実施期間,その問題点についてのお尋ねでございます。総事業と収支決算は,平成6年5月臨時市議会で議決をいただいたとおり,この特別会計の繰上充用は昭和43年度に事業を開始して以来,繰上充用金が最高16億700万円余という年度もございましたが,25年ぶりに平成6年度は1億300万円余に改善はされてきておりますが,御指摘のとおり事業年度が長くなればなるほど投下資本が膨れるわけでございます。残された開発計画は既に基本計画を策定しており,町内に強い協力体制を整えていただくよう働きかけをしておりまして,早期に実施期間を策定いたす準備を現在いたしております。 最後に,今後に生かすための反省についてのお尋ねでございます。当初の計画が遅延した理由といたしましては,事前の地元調整が十分なされていなかったこと,また大規模団地の計画から施行におけるプロセスのマニュアル策定が当時欠如していたのではないかと反省いたしております。したがいまして,地元折衝における条件整備等の問題も,履行が困難な部分を見抜けなかったと反省いたしており,今後新規事業を起こす場合は,以上の反省点を踏まえ,担当部局内で十分検討を重ね,事業を施行すべきであると考えております。 以上でございます。 ◎教育長(奥山桂君) 旧日銀の保存と歴史博物館についての一連のお尋ねにお答えを申し上げます。 まず最初は,総合歴史博物館の建設は重点的な課題ではないかと,教育長からもというお尋ねでございます。岡山市の歴史は恵まれた自然環境のもとに,継続した特徴のある内容を示しており,多種多様な文化遺産を今日に伝えておりまして,後世に長く継承すべきものでございます。このため文化遺産を収集して保管し,その活用を図る総合歴史博物館は岡山市の歴史的特徴を物語るとともに,生涯学習の場ともなる重要な施設であるというふうに考えております。 次は,総合歴史博物館のおくれと今後の計画についてのお尋ねでございます。総合歴史博物館建設につきましては,博物館施設等建設調査専門委員会で調査検討をいただき,現在基本構想策定の前提となる各構成部分の具体的内容を深めていただいているというところでございます。今後これらを踏まえまして,基本構想を早急に策定し,建設に向けて努力してまいりたいと考えておりますので,御理解をいただきたいと思います。 最後は,旧日銀建物及び用地の市の博物館施設等としての保存活用についての御提言でございますが,御承知のとおり旧日本銀行岡山支店の建物と用地は岡山県が取得をいたしまして,県立図書館の建設計画のある場所でございます。この計画は,県では現在も変更していないとのことでございますので,御理解をいただきたいと思います。 以上でございます。     〔29番片岡五百樹君登壇〕 ◆29番(片岡五百樹君) 再質問さしていただきます。 まず,道路行政の問題でありますが,非常に大ざっぱな御答弁でございました。要するにですね,答弁が大ざっぱであるということは,それほどですね,具体性がない,必要性がないといいますか,そういうのがたくさんあると,しかもどういう見通しが立つか,それも明らかでない。結局,非常にですね,大ざっぱな計画がされたと。何か聞きますと,国体のときだとか,それから新幹線が通るとき,そういうときに国から予算をもらうためにそういう計画をどんどんしたという話もあるわけで,要するにね,よほど大ざっぱな計画になっとんで,本当にね,やろうとしたら莫大な金が要ると,しかもそれは100年,200年じゃできないと,一つの線をするにも10年,20年かかっておるというのが今の現状ですから,今の財政状況からいって,そんなにね,計画をして結局できないということであれば,私権を非常に制限しております。 ですから,私は規制緩和ということが最近言われております。しかも,不況であるわけですから,この際ね,やっぱりこういうものを見直して,本当にできないものはやめてしまうということが不況対策にもなる。というのは,家をね,例えばグランドホテルのような場合は,家を建てたいんですね。ちゃんとふやしたい。それなのにできないと。そういう人がたくさんおられるわけですから,これをやめたらね,相当景気対策になると。しかもね,道を広げるというのは,皆ビルや建物が建っとんですからね,これはなかなかできないんですよ。できないんです。だから,本当にやろうと思うたら,家の建ってないところを通すしかない。ところが,福成・沖元線などというのはね,旭川大橋があるすぐ下の400メートルのところへね,昔,渡しがあったというので,あの橋ができる以前の計画を今なお残しておる。しかも,宮道という幅8メーターのところへ橋をかけるというんですね。普通橋を,旭川に大橋をかけるんなら相当広いね,幅が要るはずですよ。両わきの家を全部立ち退かすいうたら,これはもう困難な仕事です。しかも,対岸の福島側には全部家が建ち並んでいますから,そういういいかげんなね,計画になっとるわけです,ほとんど今の計画は。しかも,市道の幹線道路だというのは皆そうなんです。ですから,よほど見直していただかないとね,これはもうだめなんでね,御答弁はございましたが,納得できません。ですから,この点について再度ですね,本当に本気で見直しをし,再調査をするのかどうか,御答弁いただきたい。 それから次に,築城400年問題ですが,私は岡山チボリ問題の再現をさしてはならないということで質問いたしました。それをさせないという御答弁があったわけですが,最近ね,岡山チボリ公園という小説が出とんです。この間,発刊されとんです。これを読みましたらね,非常にもう理念も含めて詳しく小説という形ですが,実際にあったことを大体再現をしておる。これで見ると,本当にですね,市民不在,しかもペテン師にですね,岡山市は翻弄されたと,これは県もです。今なお県も翻弄されておりますけど。そういうね,実態がありありと明らかになっております。 それでこの400年も恐らく突然出てきたんでね,どっかのイベント会社か企画会社が持ち込んだんではないかと,それに乗ったと,チボリもそうなんですね。チボリも全国的に100周年があるからいうんで,皆企画書を出したと。それに乗ってやられたというのがもともとの発想なんです。今度も大体そういう内容になっとんじゃないかと。ですから,これも市民不在で屋上屋を重ねるような計画になって,しかもイベントを中心に出てきた構想がですね,ほとんど恐らく実現できないような構想になる可能性もある。ですから,この点は十分ですね,チボリ問題の反省を含めて,そういうことにならないように,本気で岡山市のまちづくりをするというんであれば,私はやはり総合計画に基づいて,皆さんの審議を経て,しかも議会の議決を経てやるような,そういうシステムで今までやってきたんですから,その立場を尊重していただきたいというふうに思います。 なお,何か築城400年が岡山市の発生のように言われるんですが,私は違うと思うんです。岡山市はもともとね,吉備の時代以前の古墳の時代,それ以前から営営としてここへ住民が住んでおられてですね,発展してきた町なんです。町というか村落であったと思うんですね。そういう歴史をやっぱり明らかにしていかないと,突然何か大名が,権力者ができてですね,町ができたんだというような発想の記念のイベントやそういうことでやられるというのは,私はどうも納得できない。やはり歴史は厳然として庶民,その時々のですね,住民が築いてきたというのが歴史ですから,そこを踏まえてやっていただかないといけないというふうに思いますので,その点を申し上げておきます。 それから,日銀の問題は県のもんだというわけですが,私はもう県は断念をせざるを得ないと,ああいうところへね,ああいうものをつくったら,もうそれは大変ですわ。もう岡山県民が永井荷風ではないが,笑います。後世の人に笑われます。ですから,ぜひこれはやめさして,本当に保存していくということが必要だと思います。 大分前に私,静岡市へ行きましたらね,あれは大正か昭和の初めの庁舎を残しておりました。非常に立派な庁舎でね,ああいう記念すべきものを残すのが必要だと思うんですね。岡山市の歴史というのは,そういう長い間積み上げてきとんですね。ですから,明治維新以後,明治,大正,昭和と,この3代のそういう岡山市の歴史が本当にあるのかどうか。岡山は中・四国の交通の要衝と言われておるわけですけど,実際はそういう史跡を残すようなものがだんだんなくなっておるわけですね。ですから,やはり今のそういう岡山市の位置を明確にする意味でも,唯一戦前の建物として残っておるのはもう日銀だけですから,日銀をですね,保存していただくということは非常に意義ある事業だと思うんです。その点でぜひこの点については強力に県にお願いをして,岡山市が取得をしてですね,岡山市の施設として保存活用するということにぜひしていただきたいと思います。 それと,四御神団地の問題については,問題点が明確にされた,概括的ですが,非常に明確にされたと思うんです。やはりこういう大型開発については,地元の折衝を十分されて,本当に後々問題を残さないような,そういう開発にしないと,思いつきでですね,しかも強行してやるということになると,こういう失敗をするということになると思います。そういう点で,ぜひこの四御神団地の教訓については,今後の開発の教訓にしていただきたい。そのことを特にこれはお願いをしておきたいと思います。 ○副議長(串田務君) 当局の答弁を求めます。     〔市長安宅敬祐君登壇〕 ◎市長(安宅敬祐君) 片岡議員の再質問に対しまして御答弁申し上げます。 築城400年の関連事業についてのお尋ねでございますが,要は事業を進める場合にですね,市民不在になってはいけないということでありまして,これは私どもも計画の段階から市民参加を基本に進めていきたいと考えておりまして,市民参加の推進組織をつくり,また議会の意見も十分お聞きしながら進めてまいりたいと考えております。 その中で,岡山城が築城400年ということでありますが,それは起源ではないんだという,それはもちろんおっしゃるとおりでありまして,長い吉備の国,あるいはその前からの歴史を十分持ってありますから,温故知新ということは十分踏まえてですね,築城400年を一つの21世紀への新しい岡山の都市の道しるべということでありますので,一つの節目としてとらえていきたいというのが私どもの考え方でございます。 それから,どこかのイベントや,あるいは企画会社から持ち込んだものじゃないかというお尋ねですけども,それはそういうことじゃなくてですね,「グリーンライフ岡山まちづくり長期展望調査」の一環として行った「あすの岡山への提言」,これは市民からいろんな意見,提言があったわけですね。それから,「まちづくりフォーラム」,「おかやま21世紀まちづくり委員会」等の提言を踏まえて,一つの節目をもっともっと活用してですね,新しい岡山の都市づくりをすべきだということから取り組もうとしているものでございます。 ◎都市整備局長(水戸川将行君) 都市計画施設の見直しにつきまして,再答弁さしていただきます。 都市計画決定された道路につきましては,御案内のとおり将来の交通量,あるいは市街地の発展動向等,長期的な観点から道路だけではなくて,土地利用等も含めて総合的な観点から計画決定されたものでございまして,こうした市街地の動向等に大きな情勢変化が生じた場合には,見直しが必要だと考えておりますけれども,現在のところは事業の緊急性等から優先順位を明確にした5カ年計画に基づいて着実に整備を進めてまいることが最重要であろうと考えております。 以上でございます。 ◎教育長(奥山桂君) 日銀の問題で市の方が買ってというようなことの御提言でございますが,これは私がそう簡単にお答えを申し上げるのには難し過ぎる問題のようにも思うわけでありますが,岡山県はやはり岡山市を県都として持つ県でありますから,御指摘のようなやはり日銀の建物が記念すべきものであるということは当然わかって事を進めておるはずだというふうに私は理解をしておりますので,そういう趣旨で,御存じのような設計にもなっておると思いますので,ひとつ御理解をいただきたいと思います。     〔29番片岡五百樹君登壇〕 ◆29番(片岡五百樹君) 時間がありませんので,一言だけ要望しておきます。 総合歴史博物館について早急に策定に向け努力するという市長答弁がございました。私はぜひね,審議会だとか,この400年の場合は何か審議会を発足していろいろやりょんですよ。むしろこれをね,審議会を発足させるなら発足さして,推進のための組織をつくって,ちゃんと体制をつくってやるという,そういうふうなことを明確にしていただきたいと思うんですね。そうでないとね,やるやるいうて今まで延びてきとんですから,ぜひこれはお願いしたい。 ○副議長(串田務君) 次は,順序に従いまして楠木君。     〔3番楠木忠司君登壇,拍手〕
    ◆3番(楠木忠司君) 御苦労さまでございます。きょうは梅雨の中休みということで,天気も非常にいいようなんで,議会質問もきょうはちょうど中日でございます。中休みにならないように頑張りたいと思いますので,しばらくの時間よろしくお願いしたいと思います。 実は質問項目ですが,1番のごみ問題について,1から5までの質問項目を上げさしていただいておりますが,4番のリサイクル施設の建設というのが3番と非常に綿密な関係がありますので,3番の中で質問をさしていただきますので,よろしくお願いをいたします。 それではまず,ごみ問題についてお尋ねいたします。 その中の第1番で,5種分別収集についてお尋ねいたします。 平成4年11月にモデル地区として浦安と西大寺南の両校区が5種分別を実施して以来,平成5年度は33校区となり,全体では35校区,42.7%,世帯数でいえば5万9,866世帯で27.3%,人口でいいますと18万7,860人で31.6%となっております。実は私の町内もこの7月から実施が予定されており,今連日準備に追われているとこであります。また,市の関係職員の皆さんには昼夜,日曜,祭日問わず関係なく町内会の説明会等に出向き指導されていることに対しまして,心から敬意を表するものでございます。 それでは,ごみの5種分別収集を積極的に進める立場で以下数点について質問いたします。 第1に,平成4年度から実施して2年が経過をいたしますが,この間の具体的な成果についてお聞かせください。 第2に,5種分別実施に伴いコンテナ保管庫の設置で5万円,ごみステーションの改修で15万円が助成されますが,整備改修場所によっては助成金の金額をオーバーすることが考えられますが,必要な経費についてはすべて助成すべきだと思いますが,御見解をお聞かせください。 第3に,リサイクル推進員の選考のあり方についてですが,先日この問題については寺田議員から質問があり,当局は今までの選考基準で選考したいとのことであります。私も同じような質問をさしていただきますが,現在のリサイクル推進員は学区単位で選考をされております。町内会との結びつきというものがないと言っても,実は過言ではございません。このごみの分別収集は町内会単位で行っておるわけでありまして,やはり実務に合った選考が必要と思いますが,御見解をお聞かせください。 第4に,5種分別収集を実施するに当たり,町内会としても物心ともに大変でございます。心の方は仕方がないといたしましても,物の方はどうにかならないかということであります。例えば配布する印刷費の関係,また各種会合等について町内会の持ち出し分というものは大分の額になっておりますので,そのあたりの助成についての御見解をお尋ねいたします。 第5に,今後の実施予定についてお示しをください。 以上でこの項の質問を終わります。 次に,フロンガス対策についてお伺いいたします。 この質問につきましては,昨日,吉田議員の方からも質問がなされております。極力重複を避けまして質問をさしていただきます。 今議会にフロン対策事業費として700万円が計上されております。内訳は岡山県廃家電品回収支援協議会へフロンガス回収機,保管用ボンベなどの設備一式390万円の3分の2の260万円の補助と浅越埋立地にフロンガス回収装置設置費440万円の計700万円ということであります。私は先日,越谷の資源化センターを視察した際,同所でフロンガスの回収をしていることを聞き,この6月議会で質問をするつもりにしておりまして,環境事業局にお聞きしますと,この6月議会でフロンガスの回収機,先ほど申し上げましたが,購入についての予算化してるということで,質問どうしようかなと思ったんですが,回収方法につきまして幾つかの疑問もありますので,以下の点について質問をさしていただきます。 第1に,このたびのフロン回収対象は家庭用の冷蔵庫,ルームエアコンとなっています。例えば冷蔵庫はきのうの答弁でもございましたが,1年間に約1万5,000台が廃棄処分をされていると聞いております。その中で粗大ごみとして約4,000台が市の最終処分地へ,そのうち約1,000台が自己搬入をされているそうであります。残りの1万1,000台は民間で廃棄処分をされてるそうであります。また,家庭用エアコンも持ち込まれているわけでございますが,浅越の埋立地でそれだけの処分能力はあるのかどうか,まずお尋ねいたします。 第2に,現在粗大ごみとして各ごみステーションに冷蔵庫,家庭用のエアコンはパッカー車で破砕しており,当然その時点でフロンガスが飛散をしているわけでございます。その数が約3,000台というふうに言われております。これに対して,これからフロン回収ということについてどのように対処されるのか,お尋ねいたします。 第3に,フロンガスを取り扱うための免許は要るのかどうか。 第4に,1年間に回収するフロンはどのくらいの量になるのか。 第5に,現在のところ,きのうの答弁でもございましたが,破壊処理の方法がまだ今のところ開発されておらず,当面はボンベでの保管ということであります。聞くところによりますと,横浜国立大学教授の浦野先生という方がおられますが,その先生が開発した燃焼式の破壊装置が既に完成しているそうであります。市場に出てくるのはいつごろかと,もう間近というふうな報道もなされておりますので,その点について,きのうの再質問みたいな格好になりますけれども,再度お尋ねしたいと思います。 以上,この項の質問については終わらしていただきます。 次に,焼却灰の残渣及び不燃ごみの処理について提言を含め質問をいたします。 ごみの非常事態宣言から既に2年7カ月が過ぎましたが,いまだに非常事態宣言は続いております。非常事態宣言の解消は現在進められている山上の埋立地が完成したときと言われております。一方,ごみの減量化,資源化を目指したごみの5種分別収集も平成4年度から実施されており,予定を上回る成果が上がっていると聞いております。また,ことしの10月からはごみ袋の透明化も予定されてるとこであります。今までのごみに対する対応は,焼却か埋め立てでしたが,現在ではリサイクル運動も進んでおります。また,今まで燃えないごみとして扱っていたプラスチック系ごみも当新田焼却場では燃えるごみとして扱いができるようになったと聞いております。これからはごみの概念を,ごみは捨てるものからごみは資源であるに変えていくことが大切であると思います。すなわち,ごみはすべて資源にし,最終処分地の必要がなくなる夢のようなことも可能であり,事実,先日私が視察いたしました越谷市では,ことしの4月から埋立地には一切埋立ごみは運ばれていないとのことであります。越谷市のごみの処分方法については,後,述べさしていただきますが,ここで一つお聞きしますが,岡山市としてこの10年の間,処分地確保に関して買収費,整備費を含む総事業費は幾らかかったのか。山上の処分地,処分地の延命策での事業費も含めお尋ねいたします。 それでは,埼玉県の越谷市のごみの処分方法を例にしながら提言を含め質問をいたします。 先ほど申しましたように,越谷市ではこの4月から埋立地には一切ごみを搬入しておりません。私も埋立地を見ましたが,最近搬入された形跡はありませんでした。市長は,使用しないのなら何か他に利用したらと言っているそうでありますが,担当課の人はもしものためにこのままにしておくとのことでありました。担当職員の方の話ですと,ごみ問題でここまで進んだのは,市長のリーダーシップがあったからと言っていました。どうか市長,強いリーダーシップを持ってこれからごみ問題に積極的に取り組んでいただけるようお願いするとともに,決意の一端をお示しください。 さて,この越谷市では越谷市を含め4市2町で埼玉県東部清掃組合を設立しております。対象人口は約77万人だそうであります。燃えるごみはすべてここに運び焼却をしております。そして,この清掃組合では,ごみを電力に,ごみを温水に,ごみを資源にということで発電,温水プールに利用し,焼却灰は灰溶融設備でスラグに加工し,将来建築資材等に再利用することが検討されていると聞いております。 また,し尿施設を隣接し,し尿処理の汚泥処理を初め,蒸気や温水をし尿処理場で有効な活用がなされております。 また一方,燃やせないごみの処理は,越谷資源センターに運ばれ,可燃物,不燃残渣,アルミ類,鉄類に分けられ,可燃物は先ほど申し上げました東部清掃組合に運ばれ焼却され,鉄類,アルミ類は資源に,不燃残渣の処理はこれがこの施設の特徴でありますが,比重差選別施設で軽量物,超軽量物,重量物,細粒重量物の4種類に分けられ,軽量物とは木片やプラスチック等でこれは焼却されております。超軽量物とはちりやほこり,カセットテープ等でこれも焼却されております。重量物のうち鉄類が3分の2で,磁選機で,いわゆる磁石で選別し,残りは再度資源化施設に投入して細分化しております。 もう一つの細粒重量物,そのほとんどがガラスや瀬戸物の細粒であります。それがこれであります。ちょっと市長どうぞ。これは歩道用分離ブロック等に利用されていると言われております。 このように可燃,不燃,粗大ごみ,すべてがリサイクルされており,埋立地には一切搬入をされていないわけであります。 ちなみに,この施設は不燃物処理資源化施設が平成5年3月15日に竣工しており,総事業費は5億4,590万円,処理能力は1時間当たり5トン,2軸式破砕機の最大能力は1時間当たり4トン,造粒機は1時間当たり16トンとなっております。 また,不燃物選別施設は平成3年3月に竣工しており,総事業費は2億4,000万円,処理能力は1時間当たり約7トンとなっております。 さらに,この資源化センターに回収された粗大ごみの中から使用可能なものはリサイクルされ,展示販売されておりました。そこには冷蔵庫や扇風機,家具や自転車等が数多く置かれていました。また,ここではフロンの回収装置を2台備え,先ほど申し上げましたように,フロンの回収も行われておりました。 以上が越谷市と埼玉県東部清掃組合の概要であります。 それで,幾つかの点について質問をいたします。 第1に,この越谷市の方式,すなわちごみはすべてリサイクル方式に対し,どのような御見解かお聞かせください。また,この種施設の導入を考えられてると思いますが,あわせて御見解をお尋ねいたします。 第2に,現在岡山市においてもリサイクル活動を積極的に行っておりますが,その拠点となる施設がありません。リサイクルセンターの建設が急務だと思いますが,御見解をお聞かせください。 第3に,ことしより当新田の焼却場が稼働しておりますが,温水プールがまだできておりません。おくれている理由と着工時期をお尋ねいたします。 以上,この項についての質問を終わらしていただきます。 次に,ごみ袋の透明化についてお尋ねいたします。 「岡山市ごみ減量化・資源化対策研究会」がごみ袋の減量化の切り札として早期ごみ袋の透明化をするよう求めた提言をもとに,ことし10月より実施する予定であります。この議会でも質問がなされ,分別収集の徹底や減量化,安全性からいっても実施していくとの答弁がなされております。結構なことだと思いますが,幾つかの問題点や疑問点もありますので,次の点について質問いたします。 第1に,10月から実施で半年は周知期間を置くとのことでありますが,私の町内もそうでありますが,多くの町内のごみステーションでは他からの投げ捨てが多いと思います。もし不透明な袋でそのような形で出された場合,回収をするのかどうか。 第2に,透明袋か半透明かの袋かで出せばよいとのことでありますが,この袋の性質はどのようにどう違うのか。 第3に,当局の説明ですと,プライバシーに関するごみは不透明な袋か新聞等に包み,袋に入れて出しても構わないとのことでありますが,これでは不透明なものと同じになるのではないかと思いますが,御見解をお聞かせください。 第4に,他都市の実施状況をお聞かせください。半透明か透明かもあわしてお聞かせください。 以上でこの項の質問について終わらしていただきます。 次に,犬のふん害対策についてお尋ねいたします。 今まで私たちの身近な生活環境をより快適なものにすることが,その地域にかかわりのある行政,そして住民の大きな課題となっています。公園や道路,河川や田畑などに散乱する空き缶やごみについては,岡山市においても行政,市民ともども取り組みがなされておりますが,ぽい捨ては大きな社会問題ともなっております。 さて,公園や道路,河川,空き地などのオープンスペースの環境を阻害する大きな要因として,犬の汚物の問題があります。今日の生活の豊かさとともに,人が心の友としてペットを飼育する傾向が増大しています。しかし,一部の心ない飼育者により犬の運動の際等に道路や公園,空き地等に放置されている犬のふんは,道行く人々,公園で遊ぶ人々に不快感を与えると同時に,腹立たしい思いがするわけであります。このような状況は全市的に見られ,快適な環境を阻害する一因となっております。その対策として,市や岡山地区環境衛生協議会としては,広報紙,看板による啓発活動を行っておりますが,十分な成果は上がっておらず,ひたすら飼い主のモラルに頼らざるを得ない状況であります。 また,各町内としてもそれなりの苦労をしておりますが,どうにもならないのが現状ではないでしょうか。しかし,どうにかしてほしいとの声は多くあり,市,保健所に対しても多くの苦情が寄せられているとのことであります。 私は先日,犬のふん害防止条例を制定してる草加市を視察をしてまいりました。現在,全国で4市町村でこのような条例が制定されていると聞いておりますが,全国に先駆けて制定されたのが草加市であります。この草加市は昭和62年11月に制定されているわけでありますが,具体的な取り組みとしては,広報紙,ごみ収集車,立て看板,パンフレット,ティッシュ等による啓発活動,市内パトロールの実施,犬のふんを入れる袋の配布等とともに毎年4月の畜犬登録,予防接種にあわして個々に指導を行っているそうであります。それでもまだ十分ではないそうであります。条例を施行してもなかなか難しい問題でありますが,何も対策を講じていないと言ってもいい当市ではどうしようもないのではないでしょうか。今の現状を見れば,どうにかしなければと思い,以下数点について質問いたします。 第1に,岡山市としてこの犬のふん害についてどのような見解をお持ちなのか,防止条例の制定を含め御見解をお尋ねいたします。 第2に,ことし4月より保健所が移管されております。その中で犬の畜犬登録,予防注射の業務を移管されており,ことし4月に実施されております。ちなみに岡山市としての畜犬登録数は約7,300匹とのことであります。その犬に対して注射もされております。このときに飼い主に対し,犬のふん害の指導すればより有効と思いますが,御所見をお聞かせください。 第3に,草加市では先ほど言いましたような各種の啓発活動を行っておりますが,岡山市としてはどのような啓発活動が可能なのか,お聞かせください。 第4に,この問題でモデル地区を決め,地区住民と連携し対策を講じてはと思いますが,御見解をお尋ねいたします。市長,これが草加市のいろんな資料なんです……。 最後に,子ども科学博物館(仮称)について質問いたします。 先ほどの質問でも,歴史博物館等の質問が出されております。私も何カ所か今までこの博物館を見てまいりました。その施設にはそれぞれ特徴があります。また,名前も子ども博物館,青少年宇宙科学館,児童館,青少年科学館,郷土博物館,青少年科学センター,児童文化センター,青少年科学文化会館,科学技術館,子どもの城等々,本当に名前もさまざまであります。また,その多くの施設の目的が青少年の科学に対する関心を深め,健全な青少年の育成を目指すとともに,学校,教育施設として大いに役立っているとのことであります。先ほど申し上げましたが,施設はいろんな特徴がございます。一つには,施設の内容を申し上げますと,プラネタリウム,展示コーナー,体験コーナー,研修室等があり,それぞれのコーナーも各館ごとに創意工夫したものがあります。私はここに全国科学博物館協議会が発行している全科協データブックというものを先日,上野の博物館から取り寄せました。この全科協には165館,全国加盟しておりますが,その中で岡山県としてこの全科協に加盟している設備といたしましては,倉敷の昆虫館,倉敷市立自然史博物館,津山科学教育博物館,笠岡市立カブトガニ博物館,吉備高原ニューサイエンス館の5館が掲載されております。他に倉敷市にはライフパーク倉敷の中に倉敷科学センターがありますが,多分これは1993年に発行しておりますので,ちょっと間に合わなかったのではないかと思います。 それから同時に,岡山に県の児童館がありますが,これはこの中には入っておりません。問題は岡山市にはこの種施設がないということであります。先日の視察の中である市の方より,岡山市は60万都市でこのような施設もないんですかと言われ,本当に返事のしようがありませんでした。 そこで市長,教育長にお尋ねいたしますが,子ども科学博物館,これは仮称ですが,これの必要性についての御見解をお聞かせください。また,答弁によりましては再質問で詳しく質問をさしていただきます。 以上で第1回の質問を終わらしていただきます。どうか答弁に当たりましては,簡単に答弁していただきますように,また明瞭に答弁していただくようによろしくお願いいたします。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(串田務君) 当局の答弁を求めます。     〔市長安宅敬祐君登壇〕 ◎市長(安宅敬祐君) 楠木議員の個人質問に対しまして御答弁申し上げます。 ごみ問題でございますが,ごみの5種分別収集の成果についてのお尋ねでございます。ごみの5種分別収集事業につきましては,平成4年11月の2つのモデル地区での成果を踏まえ,昨年度,市域の約3分の1の地区で実施し,今年度さらに3分の1の地区で実施しようと鋭意取り組んでいるところでございます。 過去2年間の成果でありますが,5種分別収集地域では市民のごみ問題に対する意識も高揚し,分別が進み,これまでごみとして埋立処分されていた資源化物が相当量回収される中で,不燃ごみの量が大幅に減少しました。4割ないし5割の減少というふうに聞いとりますが,そしてその結果,最終処分場の延命化につながるといういい結果が出ていると考えております。 それから次に,リサイクル推進員は単位町内会と結びつきがある人をというお尋ねでございます。これは羽場議員,あるいは寺田議員の個人質問にもお答えしましたように,リサイクル推進員のあり方につきましては,現在の推薦方法を基本としながらも,地域の実情,本人の意欲と町内会との結びつきも十分考えながら,実効性が上がるように検討してまいりたいと考えております。 それから,ごみ問題についての決意といいますか,取り組む決意ということでございますが,ごみ問題は地球環境にも直結する最重要の都市問題の一つとして,行政,市民,事業者すべてが力を合わせて取り組まなければならない問題と考えております。こうしたことから,廃棄物条例等の整備,地域からリサイクル社会を築くための5種分別収集地区の拡大,またごみ分別の徹底,減量化,資源化及び収集作業の安全性を確保するとともに,ごみに対する意識の高揚を図るため,本年10月から導入する予定にいたしておりますごみ袋の透明化,さらに地球環境を保全するため,オゾン層の破壊原因と言われているフロンガス対策などに取り組んでおりますし,また施設整備といたしましては,東部資源選別所(仮設)が本年4月15日から稼働し,山上最終処分場の建設並びに東部クリーンセンターの建設,西部地区のリサイクルプラザを計画いたしておるわけでございます。私は今後ともごみ問題の解決に向けて環境保全,資源循環型の都市づくりを推進すべく,議会並びに市民,事業者や関係者の皆様の御理解と御協力のもと,全力を傾注して有効,適切な施策を講じてまいりたいと考えております。 また,その中で越谷市の方式,いわゆるごみはすべてリサイクル方式についてのお尋ねでございますが,この越谷市のごみ処理方式は,燃えるごみと燃えないごみに分別し,燃えるごみにつきましては焼却灰を灰溶融設備でスラグに加工されておりまして,燃えないごみにつきましては資源センターに運ばれて可燃物と不燃残渣とアルミ類,鉄類に分けて,鉄類,アルミ類は資源にリサイクルされていると聞いております。 越谷市のこのごみ処理方式は地球環境を保全するための施策として,資源の有効利用という観点からも一つの手法であると考えております。今後,越谷市の視察も行い,安全性,経済性,需要先などの問題につきまして調査研究をしてまいりたいと考えております。 次に,子ども科学博物館(仮称)の必要性についてのお尋ねでございますが,本市では学識経験者,教育関係者,福祉関係者等20名の委員による「おかやま子ども未来づくり推進委員会」を先般発足させまして,21世紀を担う子共たちが健やかに生まれ育つための環境づくりに関しての総合的な施策の推進を図るための方策について調査審議し,提言をいただくことにしております。この推進委員会には,文化と遊び,子育て,それから創造・育成支援施設構想──ちょっと難しいあれですが──の3つの分科会を設置しまして,検討を深めていただくことにしておりますが,この中の創造・育成支援施設構想の分科会では,子供の夢や創造力,冒険心を育成するための拠点施設や総合的な体験学習施設を想定いたしております。 議員御指摘の子ども科学館(仮称)のような青少年の科学に対する関心を深めることができる施設も含めて,この分科会で十分検討していただきたいと考えております。 なお,その他の御質問につきましては,担当局長の方から順次御答弁さしていただきます。 ◎保健福祉局長(芝野浩和君) 犬のふん害対策について条例の制定,集合注射会場での飼い主への指導,啓発活動の岡山市の取り組み,モデル地区の指定などにつきまして一連の御質問に一括して御答弁申し上げます。 犬のふん害につきましては,全国的に社会問題となってきておりますが,岡山市でも例外でなく,その対策に苦慮しているのが現状でございます。 現在,岡山市の取り組みといたしましては,広報紙への掲載,パンフレット等での啓発活動を実施するとともに,一方では各地区の環境衛生協議会の活動の一環として,ふん害防止を立て看板等で訴えるなどPRに努めております。今後も集合注射会場での飼い主への直接の指導や動物愛護週間など,あらゆる機会を利用して正しい犬の飼い方を指導してまいりたいと考えております。 また,条例の制定,モデル地区の指定につきましては,基本的には飼い主のモラルの問題でもありますので,飼い主個人が責任を持って処理するよう啓発をしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◎環境事業局長(馬場克彦君) ごみ問題についての一連の御質問に御答弁を申し上げます。 まず,ごみ5種分別収集の現状についての御質問のうち5種分別収集を実施するに当たりコンテナの保管庫,資源化物収集ステーションの整備,回収に,そういったものに必要な経費はすべてを助成してはどうかというお尋ねでございます。 議員御指摘のようにコンテナの保管用物置の設置には5万円を,資源化物収集ステーションの整備には15万円を限度として補助をいたしております。 コンテナの物置につきましては,利用世帯数100世帯を基準としており,世帯数が多くなるに従って,例えば200世帯までであれば10万円,300世帯までであれば15万円というように弾力的な運用ができるようにしております。 資源化物収集ステーションにつきましては,通常の可燃,不燃ごみのステーションの整備は2分の1補助で,補助金の限度額は7万円でございますが,これに対し15万円までは全額補助をしております。これは5種分別収集事業でできるだけ市民の皆さん方に御負担をおかけしないようにという考え方に基づくものでございます。また他方では,5種分別収集事業による資源化物の売払収入も連合町内会を通じて地元へ還元しようと考えておりますので,御理解をお願いいたします。 次に,5種分別収集の実施に当たり町内会では物心とも大変であると,心の方は仕方がないとしても物の方,例えば印刷費,各種会議等について,どんなにかならないかというお尋ねでございます。 5種分別収集では,資源回収日のステーションでの指導,コンテナの持ち出し等,町内会の皆様に大変な御協力をお願いしておるところでございます。したがいまして,啓発的な経費につきましてはできるだけ町内会に負担をおかけしない方法で実施をしていきたいと考えております。印刷物等につきましては,できるだけ市の印刷物を御利用していただくなど,また会議等につきましては,ごみ問題学習団体補助金交付制度等もございますので,こういったものの御利用も検討していただけたらというふうに考えております。 次に,今後の5種分別収集の実施予定でございますけれども,5種分別収集事業は,これまでの市域の周辺部から中央部に移るに従って資源回収収集ステーションの確保,資源回収日の指導,コンテナの設置,保管等多くの困難な問題が予想されております。したがいまして,昨年度のようなスムーズな実施は困難があるかもしれませんが,今年度も昨年同様に市域の3分の1の地域で実施できるように目標を掲げております。実施区域は,できるだけ現在実施しております区域に隣接するところから拡大をしてまいりたいと考えております。 次は,フロンガス対策についての御質問のうち浅越の埋立地で予定している処分能力はあるのかどうかというお尋ねでございます。 フロンガス回収機は冷蔵庫用とルームエアコン用をそれぞれ1機設置をいたしまして,毎週1回程度フロンの回収作業を実施する予定でございます。回収対象としております台数は十分処理できるというふうに考えております。 次に,粗大ごみはパッカー車で破砕しており,フロンは飛散しているがこれはどのように対処するのかということでございますが,今回は当面の回収対象として浅越最終処分場へ市民が直接持ち込むフロンガスを内蔵した廃冷蔵庫,廃ルームエアコンを考えております。議員御指摘の粗大ごみステーションへ出されるものの回収につきましては,今後収集方法の見直し等のことがございますので,今後検討してまいりたいと考えております。 次に,フロンガスを扱うための免許についてでございますが,フロンガス回収装置は通産省の認可装置で,高圧ガス取締法の適用が特別に除外されており,特に免許等の資格の必要はございません。 次に,1年間の回収できるフロンの量でございますけれども,予想回収量は市と支援協議会を合わせまして廃冷蔵庫が約360キログラム,廃ルームエアコンが約1,120キログラムで,合わせて1,480キログラム程度と見込んでおります。 次に,フロンガスの破壊処理について,横浜の国立大学教授の浦野先生が開発した燃焼方式の破壊装置が完成してるようだが,市場に出てくるのはいつごろかというお尋ねでございますが,この浦野教授等が開発されました燃焼方式によるフロンガス破壊装置の実用化につきましては,これは明らかではございませんが,本年じゅうにもフロン回収自治体の協力を得て実用化も可能であるというふうに聞いております。 次は,焼却灰の残渣処理と不燃ごみ対策についての御質問で,岡山市としてこの10年間処分地確保に関して買収費,整備費を含む総事業費は,山上の処分地の事業費でありますとか,浅越の梱包設備も含めてどのくらいになるかということでございます。総事業費は約106億4,331万円余でございます。 次に,リサイクルセンターの建設が急務だがということでございますが,議員御指摘のとおりリサイクル活動を行うための拠点施設,リサイクルセンターの建設は急務であることから,5種分別に対応した拠点施設として旭川から西の地域を対象にして新保資源選別所,旭川から東の地域を対象として東部資源選別所を暫定施設として建設をしておりますが,東部地区につきましては,西大寺豊地区に進めております新産業ゾーン内に建設する東部クリーンセンターを複合的に整備し,ごみ焼却施設とリサイクルプラザの併設を考えております。このリサイクルプラザにつきましては,粗大ごみ処理施設,資源選別施設,リサイクル製品の展示販売,リサイクル工房室,リサイクルについての学習室等,リサイクルの情報,活動の拠点施設として整備することを考えております。 また,西部地区の施設といたしましては,現在用地を選定中でございますが,施設整備につきましては東部と同様のものを考えております。 次に,当新田温水プールのおくれている理由と着工時期でございますが,当新田温水プールの建設につきましては,進入路の用地取得が難航し建設が遅延いたしておりますが,地権者の御理解と御協力を得るべく鋭意努力いたしまして,本年度末までには用地取得を行ってまいりたいと考えております。 なお,温水プールの着工時期につきましては,平成8年度を予定いたしております。 次は,ごみ袋の透明化についての御質問で,町外からごみステーションに投げ捨てが多い地域であるが,もし不透明の袋で出された場合は回収をしないのかというお尋ねでございます。 ごみ袋の透明化は本年10月1日から実施する予定で,おおむね半年間の指導期間を設け,地元町内会,リサイクル推進員等の御協力を得ながら周知徹底を図ってまいりたいと考えております。 他の町からの投げ捨ての不透明のごみ袋での,そういったことで排出された場合は,違反シール等の貼付等の措置も実施状況を見きわめ検討してまいりたいと考えており,大変難しい問題であると思っておりますが,実態に応じた取り組みを考えてまいりたいと思っております。 次に,透明袋か半透明袋の性質の違いのお尋ねでございます。 袋の原料でございますポリエチレンには低密度ポリエチレンと高密度ポリエチレンがございます。低密度ポリエチレンを使用した顔料を含まないごみ袋は透明となりますが,通気性があり柔軟性が高く裂けにくい性質があります。一方,高密度ポリエチレンを使用したごみ袋は顔料を含まなくとも,すりガラス状の半透明になりますが,通気性が少なく伸縮性がなく裂けやすいという性質がございます。 次に,プライバシーに関するごみは不透明な袋か新聞紙等包み袋に入れて出してもいいということであるが,これでは不透明なものと同じになるのではないかというお尋ねでございます。 ごみ袋の透明化または半透明化は,中が透けて見えるため見られたくないごみにつきましては,プライバシーの保護の観点から小さな紙袋等に入れ排出されるケースもあると考えておりますが,量的にはわずかではないかと予想しておりまして,分別の徹底等に支障を来すようなものではないというふうに考えております。 最後は,ごみ袋の他都市の実施状況についてでございます。 ごみ袋透明化の他都市での実施状況につきましては,類似都市等の調査では仙台市が平成3年4月から無色透明,水戸市が平成5年4月から無色透明,熊本市が平成5年10月から無色透明または半透明,また金沢市が平成6年4月から色つきの半透明ごみ袋を採用されております。 以上でございます。 ◎教育長(奥山桂君) 子ども科学館(仮称)の必要性についての教育長の見解もというお尋ねでございます。 近年,科学の発達は目覚ましく,日進月歩どころか時々刻々と進歩しているといっても過言ではないと思いますが,こうした発達を将来にわたって支えていくのは今の青少年たちであり,この子たちの好奇心や探求心を満たし,科学に対する関心を深め,科学する心を育てることも非常に大切なことであります。そして,それは学校での教育だけではなく五感を使って体験し学習できるような体験参加型の科学館などによって,より一層はぐくむことができるものと思っております。こうした意味で子ども科学館は大変貴重な御提言でございますので,先ほど市長から答弁されましたように,「おかやま子ども未来づくり推進委員会」の審議経過も踏まえながら,関係部局とよく協議し検討してまいりたいと思いますので,御理解をいただきたいと思います。     〔3番楠木忠司君登壇〕 ◆3番(楠木忠司君) 余り時間がありませんので,簡単に再質問をさしていただきます。 まず,子ども科学館の関係なんですが,実は私も何カ所か行ってまいりました。市長これが,先ほど市長に渡したパンフレットが一番最近できました多摩六都科学館という施設であります。先ほどお話がありましたように,もういろんな施設が入っておりまして,いわゆる教育長も言われておりましたが,参加型の科学館ということで,大変有効に利用されているというか,大体僕も子供が大体7割ぐらいの,全体の数からいってと思ってたんですが,5割も満たないと。特に若いアベックの方々が多いという館長さんのお話でした。ですから,こういった施設,ただ単に子供だけじゃなくって,いろんな分野といいますか,年齢層も広範囲に,また数多く集まるということで,ぜひとも御検討をお願いしたいと思います。 今,「おかやま子ども未来づくり推進委員会」の中でやってるということでありますけれども,ぜひ市長の方でそのあたりについて十分,ただ単に委員会は委員会でやりますけれども,市の行政としてもやはり教育委員会内なり,またそれぞれのところで必要性についてぜひこれからの御協議をいただきたいと。お話し聞きますと,先ほども言いましたように,岡山県の中でも岡山市にこの種施設がないというのはやはりおかしいと思いますし,私も全国のデータブックの方から大体どのくらいあるかなということで書き出してみました。もう大体10都市,今の政令都市はもう全部あります。あと岡山市と類似都市ももうほとんどあります。同じような施設,もうこの近辺でいいますと,広島にももちろんある,先ほど言いましたように津山にもあるということで,もうかなりの都市でありますから,その辺については子供たちの健全育成を考え21世紀を担う子供たちでありますので,ぜひ御検討をよろしくお願いしたいと思います。 それから,犬のふん害対策でありますけれども,先ほどの答弁,本当に重要だと考えとんですか。そういうに思えんです。例えばね,4月に畜犬登録をやって,7,300人ぐらいな方が,犬だけ来るわけじゃないんですよ。飼い主も一緒に来るわけですから,そこに対してやっぱりきちっとした指導,いわゆるパンフレットするなり,それから広報車それぞれ走りょうるでしょう,市内を。そういうとこの宣伝とか,できる範囲で,即何もかんもやれという話じゃないわけですから。一番本当に困ってるのは市民であるし,皆さん方も経験あると思うんです。ですから,そういう機会をとらまえてぜひ強力な指導というものをお願いしたいと思います。もう一回,答弁してください。 それから,リサイクルセンターの関係なんですが,先ほど馬場局長の方から答弁がありました。西部については今用地確保に向けてやってるということで,そのリサイクルプラザで,拠点地にしていくというのはわかるんですが,例えば東部の関係が平成12年というふうに言われてるわけですね,東部クリーンセンターの関係の中でのリサイクルセンターが。今平成6年ですから,あと6年ということなんです。それではやはり今リサイクル,例えば本当はもったいない話なんです。粗大ごみとして出されてる,いろんなもんが出されてますけども,まだ再利用できるようなものがいっぱいあるわけなんですね。それをパッカー車でもうぐじゃぐじゃにしてもうすべて焼却,あるいは埋め立てということになっておりますので,使えるものはやはり再度利用するということの一つのリサイクル運動の徹底,口先だけじゃなしにね,この種の施設いうなあもうすぐにも必要な施設ですので,馬場局長,今の東部,西部の関係,2カ所センターを設けるという話ですので,これはもう6年先じゃあ7年先言わずにね,もうこの一,二年で用地確保もし,やっていきたいぐらいな決意を示してください。お願いいたします。 それから,もう一点はごみ袋の関係です。ちょっと時間がないんで全部できるかどうかわかりませんが,先ほど他都市の状況のお話がありました。その中で,例えば東京の関係については半透明を利用してると。なぜ半透明を利用しとるかといえば,熱量が非常に高いと。だから,かまがもたない。例えば,透明のポリエチレン,私がいろいろ聞いたとこによりますと,約1万カロリーぐらいな発熱量があるということなんですね。それで,炭カ類,いわゆる炭酸カルシウム入りについては大体それが5,800カロリーぐらい,半分近くに熱カロリーが落ちるから,そういう半透明の袋を使ってると。岡山の場合で申し上げますと,先ほどもちょっと質問の中で申し上げましたが,今の当新田の場合はいろいろ炉の関係とかのことを考えて,大体1万カロリーぐらいには対応できるというふうに聞いております。しかし,今の岡南の焼却場の場合は,まだ古いかまですので,それがもたないのではないかなという懸念がしてるわけです。そんなものはもつよと言われればそれでいいんですけれども,もしそれで透明の袋を多量に焼却した場合は,炉がいかれてしまうという心配が起きないかということで質問いたしたわけでございますので,再度そのあたりの御見解をお尋ねをしたいと思います。 それから,フロンの回収の関係です。先ほど言いましたように,パッカー車で約3,000台の,エアコンにしても,それから廃冷蔵庫にしても即フロンが出ているわけですね。先ほどそれは馬場局長も当面はそれでやっていくということになりますと,何のためにフロン回収機を設置して大気,オゾンとかいろいろまくら言葉は別といたしまして,フロンを回収するのにから,片やパッカー車で壊してしまってるという状況でありますので,その辺の対策についてもぜひもう一回見解をお尋ねいたします。 以上で終わります。(拍手) ○副議長(串田務君) 当局の答弁を求めます。     〔市長安宅敬祐君登壇〕 ◎市長(安宅敬祐君) 楠木議員の再質問に対しまして御答弁申し上げます。 子ども科学館(仮称)ですね,先ほど最新の多摩六都科学館の資料もいただきました。参加型であるということでありますが,私もこういった,今の時代,やっぱり子供に何を残すべきかと,そういうことだろうと思いますので,私どもはこの「おかやま子ども未来づくり推進委員会」でも十分議論いただき,行政としても積極的に取り組んでまいり,本当に他都市に負けないいいものをつくりたいと,そういうように考えております。 ◎保健福祉局長(芝野浩和君) 再質問にお答え申し上げます。 犬のふん害につきましては,美しい岡山市のイメージを損ない,快適な生活環境を阻害するもので大変好ましくないことと考えております。ふん害対策につきましては,今後この草加市の資料等も参考に,議員御指摘の集合注射会場での指導,その他広報活動を行いまして強力に啓発をしてまいります。 ◎環境事業局長(馬場克彦君) 再答弁いたします。 まず,リサイクルセンターの件でございますけれども,これはさきに緊急性につきましては申し上げたとおりでございます。 東部につきましては,これは東部クリーンセンターに一体的な開発ということで,そのメーン施設であります焼却場,こういったものが平成11年から稼働いたしますので,そういったこととやはりあわせて建設をしていくようになると思います。 それから,西部につきましては,これは用地が確保でき次第早急に建設をしてまいりたいと,取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。 それから,岡南環境センターでの焼却の件でございますけれども,東京都の例をお出しになって御質問があったわけでございますが,炭酸カルシウム入りの袋というものは,それが入ってないものよりはこれはやや熱量は確かに低いというふうに聞いてもおりますが,ただその場合には,炭カルを入れる場合には袋の厚みが少し厚くなります。そうなりますと,量というものはふえるわけでございまして,熱量は余り変わらないというふうなことも言われております。 それから,今後分別を徹底してまいりますれば,そういった不燃物がまじって入るというふうなことがなくなると思いますので,そういった面でも今後負担の軽減にはなってまいると思います。 それから,フロンガスの回収でございますけれども,これも何回か御答弁をさしていただきましたけれども,本当に緊急の課題でございます。現在はやむを得ず最終処分場に自己搬入ができるものを対象にしておりますけれども,これは確かにステーション等で回収いたしましたそういったものにつきましても回収する必要があろうかと思いますので,今後ともその方法等について検討してまいりたいと思っておりますので,よろしくお願いします。 ○副議長(串田務君) 午後1時まで休憩いたします。      午前11時57分休憩      ~~~~~~~~~~~~~      午後1時6分開議 ○副議長(串田務君) 午前中に引き続き会議を開きます。 次は,順序に従いまして山田勇君。     〔43番山田勇君登壇,拍手〕 ◆43番(山田勇君) 連日の本会議でですね,本当に皆さん方それぞれのお席でお疲れのことと思います。議会というのはいつの世にも本当に白熱して火花の散るようなやはり論戦がですね,我々当然市民の負託をいただいている以上は求められるんじゃないかと思います。私の場合は火花が散るかどうかわかりませんけど,いろいろ考えておること,気になっておることをまとめてみました。 初めに,お断りなんですけど,子どもの権利条約批准につきましては,やはり私順番が21番目でしたか,既にもう何人かの方がいろんな切り口でこの議場でお触れになられました。したがって,この問題は今回は通告はいたしておりましたけど割愛をさしていただきます。 けさニュース聞いておりましたらね,きょうは夏至だそうです。夏至というのは太陽が上がってる時間が1年間で一番長いというその一つの日だそうです。私,実は4時前にちょっと起きてみたんです。いろいろあって起きたんですけど,ほんならね,もうツバメが鳴きょうりました。かすかに東の方が白んでるいう状況だったんですけどね,やっぱり鳥いうなあ正確なもんだなあと思って,それからもう一寝入りしました。 それはとにかくとしましてですね,またこの時期というのは田植えのちょうど時期でございまして,私の所在地である西大寺の方も今家族総出のといいたいとこですけど,今はもう機械で植えますから,田植えが真っ最中です。とは申しましてもね,最近の田植えというのはだんだんだんだん今少なくなっております。というのが田植えせずにもうじかまき,直播といいましょうか,こういうことをされる農家の方が非常にふえました。ただ,今の時期になりますとやはりもう用水に水が満々と来ましてね,いわゆる田んぼに水がのってきますから,きのうは吉田議員さんはカエルがおらんようになったいうてようられましたけど,私たちの方はおかげでね,カエルがうじゃうじゃおってですね,朝に晩にカエルが大合唱しょうります。これはもうすさまじいもんで,皆さん方もそれぞれの子供のころの記憶の片隅にこれはあるかもしれませんけど,そういうのどかな自然環境というのは,いつの時代にも子々孫々のためにもちゃんと我々大人が責任を持って残していかねばならないなあと私はいつも思っております。 そういう一つの大きな流れの中から今回は最初にホタルのまつりについて触れてみます。 6月11日土曜日,大宮地区でホタルまつりを行いました。場所は御承知のように西大寺一宮の要するに苗圃公園,苗木をつくってる公園管理課の所属のあそこの谷間の部分です。当初この祭りはですね,50名の募集を予定いたしておりました。50名ぐらいで,ちょうど蛍の方もそんな驚かないし,いいころじゃないんかなあいうふうな,こういうことだと言うてました。ところが,お客さんが殺到しましてね,400人来ました。400人以上。何か知らんけど,蛍一匹にお客さんが何十人いうふうなすさまじい状況が片方ではありましてですね。やはり蛍というのは非常に根強い人気があるんだなあということも認識を新たにした次第でございます。蛍の方がおそれをなしてですね,なかなか出て来んのんです。市長も笑ようりますけど,二,三匹出てきたら子供が懐中電灯を照らしてわあっとですね,小口団体で来ますから,蛍が灯消してしもうてですね,どこ行ったかわからんいうふうな,まことに何とも言えんおもしろいことがありました。とはいいながら,やはり子供のメルヘンタッチな夢ということを考えた場合にね,この蛍というのは何とかしてこれは我々が責任持って復活さしていって,蘇生をさしていって,岡山市の各地にですね,5月の下旬から6月,初夏になれば蛍がもうらんらんと,こうこうと灯をともしながら飛ぶいうふうなことをやはりぜひこれからも頑張っていかねばならないと思っております。 当日,大変大宮学区の方々,一部は朝日学区の婦人会の方にもお世話に相なりまして,おでんもありました,イカ焼きもありましたし,パンもありましたし,最終的に安宅市長も8時過ぎでしたか駆けつけてくれまして,非常に盛会裏に終えることができました。 ところが,蛍もよう知っておりましてね,私最後に藤原貢さんと二人で帰りょうたんです,もう帰らんかいうて。帰り出したら,かっかっかっと出てきてですね,やっぱり人間いうのを蛍いうなあやっぱり嫌いなんでしょうかね,僕はその辺ようわからんのですけど。どうもその辺がどうもおもしろいもんだなあと思って思わず苦笑いしながら帰った次第です。 そこで,以下何点かお尋ねしますけどね,1,このホタルまつりちゅうのは今各地区で大盛況です。さて,今後の対応の中でですね,祭りをやっていらっしゃるところの周辺整備,あるいは駐車場,そしてトイレ,また警備員等々の問題点について,新たな援助も含めた対策を,これはもう地域ごとに本格的な検討をすべきではないのか。 2番目が,蛍というものを育てていくためには指定地,岡山市今指定地どんどん,今5カ所ですかやってますけど,この地域の方々がですね,もう大変な努力をしておられます。これはもう1年がかりですから。しかも生き物が相手ですから。ぜひひとつのこの方々との定期的な懇談の場を設けていただき,さらなる充実をやっぱり図っていくべきではないかと思いますが,いかがでしょうか。 また,今まで指定したところが5カ所あるんで,今後も何カ所か予定してるそうですけど,この指定地域間での交流の場づくりというものをこれからはやはりぜひ行っていくべきだと思いますけど,いかがでしょうか。 3番目,このホタルまつりの人気が高まるほどに蛍の成育にかえって支障が出る懸念もあるが,このあたりの調整を一体どうされるおつもりなのか。これは御承知のようにきょうの新聞,くしくも山陽新聞に載ってましたけど,足守かいわいでは1万4,000人も押しかけたというふうな話も載ってました。1万4,000人いうたら並みじゃないですね。こういうふうに蛍がかえって,育てたのはいいけどいうふうなおかしなことも十分心配なので明快な御答弁お願いします。 それから4番目,参加していただくお客さまのマナー,これ一部問題点もあるようですが,改善へのノウハウももう少し検討されるべきではないのか。これはやはりちゃんと正しい蛍の見方ということをやっぱり教えていかにゃいけんと思うんです。いや,本当の本当。いや,ほんまのほんま。というのはね,何が問題かいうたらね,おったらとりたがるんですよ,さわるたがるんですよ。これがよくないんです。それはいろんな人間が蛍に寄ってたかってごらんせえ,蛍の方はもうSOSです。そういうことがありますので,ぜひひとつこの辺もこれからやっていく中で十分考えていかねばならないと思います。 5番目がですね,当面10カ所の指定目標で今現在5カ所が指定済みだが,今後の予定とその諸課題,ちょっと述べてみてください。 6番目が小田郡矢掛町,矢掛町方式のような育成場設置の検討を行うべきではないのか。矢掛はねえ,本式でやっております。もう町を挙げて取り組んどります。今ごろは,きのうやきょうに始まったことじゃないんですけど,矢掛で飛んだ蛍が飛行機に乗ってで銀座のど真ん中のソニービルでですね,首都圏の方々に見ていただくいうことも何回もこれはもう定着しております。岡山はそんなことをしろたあ決して言いませんけど,やはり蛍を育てるいう中で,ひとつこれは十分参考になるんじゃないかと思います。 7番目,西川緑道公園沿いの蛍の育成事業は余りぱっとしません。この問題点と今後の見通し,対応をどのようにお考えなのでしょうか。 以上で蛍の項を終わります。 次は,石井十次についてお尋ねをいたします。 特にこれは顕彰についてですね。実は私はこの3月28日に宮崎県の高鍋町とそれから西都市と,それから木の城と書くんですが,あれは木城というんですかね,1市2町へ行ってまいりました,視察で。ちょっとこれ余談になるんですけどね,新幹線で北九州まではもうどおんと早いんですね。そっから日豊線いうのはこれはまことに長い列車でね,4時間半ほどかけてやっと要するに,中津過ぎて佐伯を過ぎて延岡入って,この海沿いが長いこと長いこと,高鍋町へ行ってきました。 前の児島虎次郎さんと大原孫三郎と石井十次のことについては,去年の12月に申し上げたと思いますけど,その御子孫の方で,児島草次郎さんという方にお会いしました。この人はひ孫に当たる方で44歳,お兄さんは岡山県総社市の方で何か窯をつくって焼き物をしとると言っとられました。全然何の予約もなしにひょっこり行ったんですけど,まことに気持ちよく応対してくださいまして,約半日間,最後に石井十次のお墓も参ってきましたけど,いろんな話を聞いてまいりました。そのときに,いろんな資料あったんですけど,この資料をいただいてきました。これは何でもありません。地元の宮崎日々新聞のこれはことしの正月号からの石井十次の特集した新聞の写しです。ずうっとこうあります。この話をいろいろ聞きながらあっちこっち御案内していただきました。 ただ,児島さんいわく,岡山というところは石井十次について一体どのようなお考えをお持ちなんでしょうかねという,まことに厳しいお話がありました。亡くなって既に80年,ちょうどことしが没後80年ですけど,80年間がもうまことに石井十次については空白の時間が過ぎているように私は感じてなりませんでした。特に石井十次は御存じのように,彼16歳で当時内野品子さんという方と結婚されるんですね。その後内野品子さんは子供さん二人つくって亡くなるんです,十数年後に。今,石井品子のお墓が岡山に残ってるんです,お墓が。そのお墓がもう荒れ放題になっとっても知らん顔しとるし,それから旧邑久郡大宮村上阿知にいろんな孤児院があったときに,そこで亡くなった方々のお墓もいっぱいあるけど,これらももう荒れ放題いうことも厳しいことを私に言っておられました。聞いてみたんです,岡山の方からこの高鍋町を尋ねてきた人がおりますかいうて。岡山県の関係者が二人,ちょっと30分ほど,何か駆け足で来てですね,さっと帰った。何か台風のようであったいうふうなことを言っておられました。何か名刺持っとられましたけど。 いっとき大宮村上阿知でですね,孤児の父ということで石井十次がいろんなもろもろな活動をしたということはもう皆さん方既に御承知のとおりです。ヨーロッパではいろんな福祉体系というものを数百年かけてやっと何万の方々がやってきたのを,石井十次は一生わずか四十数年でやったというふうな非常に高い評価もあります。にもかかわらずどうも岡山市の方々はその辺が鈍感なのか無関心なのか,まことにその辺が残念でならないんですけど,石井十次のことについて何回やっても一つもいい答弁が返ってこないんで,とはいいながらあえて言ようりゃにゃいけんのんで,あえて今回こういう質問をまとめてみました。 1,石井十次の事業は岡山では風化してしまってると,特に精神的な文化部門はなくなってしまっていると大変厳しい指摘があるが,この点についての市長の見解をお示しください。 2,昨年12月の私の質問以来,その後市中央図書館所有の資料チェック等はされましたか。また,ほかにも貴重な資料がかっての関係者の方々のおうちにたくさんあるようですが,これらを収集,分析等も今後順次行っていくべきではないのか。 3,石井十次と交流のあった子孫の方々のお話についてもそろそろ本気になって聞く機会を設けるべきではないのか。 4,昭和36年岡山市は史跡指定以来三十数年間,岡山市としては一体どのような施策を行ってきたのか。 5,今後の整備進展には顕彰機運の高まりの中で検討していく旨の答弁がありましたが,最近における大宮を考える会の諸活動はこの機運の高まりと私自身は評価をしておりますが,この点については一体いかがでしょうか。 6,その後,高鍋町等へ職員が視察に行かれたようですが,率直な感想をお述べください。 7,大宮を考える会の方々と今後石井十次顕彰についての話し合いの場を積極的に持つべきではないのか。 8,十次の偉業を残念ながら岡山では余り知る人がなくなってしまっています。当局が先頭に立ち,当然マスコミの方々にも御協力をお願いしながら積極的な知らす努力をしていくべきではないのか。 9,平成7年から始まる予定の総合計画の中にぜひこの石井十次の諸計画を織り込むようにしてもらいたいと思いますが,いかがでしょうか。 10,今後の展開で高鍋町,木城町,西都市等との交流が不可欠となるが,この点について一体どのようなお考えをお持ちでしょうか。 以上をもちまして私の第1回目の質問を終わらしていただきます。大変失礼いたしました。(拍手) ○副議長(串田務君) 当局の答弁を求めます。     〔市長安宅敬祐君登壇〕 ◎市長(安宅敬祐君) 山田勇議員の個人質問に対しまして御答弁申し上げます。 ホタルまつりに関連しましてその周辺整備等の対策についてのお尋ねでございますが,このホタルの里事業は蛍の生息地を保全し,さらに市民が1年を通じて自然と触れ合える場を創造,活用しようとするために,平成4年度から始めた事業でございます。幸いにも地域の方々の多大なる御協力を得て,ホタルの里地域では活発な活動が実施されてるところでございます。 しかしながら,一方では御指摘のように駐車場や車の渋滞など新たな問題が生じている地域があります。本市といたしましても蛍をテーマに身近な環境の保全に努める一方で,これらの諸問題を解決するために地域の方々の御意見,御協力をいただきながら,地域ごとの特性に応じた周辺整備を関係部局とともに進めてまいりたいと考えております。 また,援助の拡大等につきましても検討してまいりたいと考えております。 それから,石井十次の顕彰についてのお話で,今岡山にはもう精神的な文化部門はなくなってしまったのかという御指摘でございますが,この石井十次は,政府による総合的な救済事業がほとんど見るべきもののなかった明治前期の社会事業の黎明期に,この岡山の地において人生のすべてをささげて孤児の保護救済事業に取り組んだ石井十次の功績は,我が国の社会事業史の中でも特筆に値するものであると考えております。 こうした先駆者の血のにじむような努力があってこそ本県が民生委員・児童委員制度発祥の地と言われ,また全国的にもまれな幅広い愛育委員活動の基礎が形づくられたゆえんであると認識しておりまして,そうした点では氏の福祉理念は現在もなお生き続けているといってもいいのではないかと考えております。 なお,その他の御質問につきましては担当局長から順次御答弁さしていただきます。 ◎保健福祉局長(芝野浩和君) まず,ホタルまつりについての御質問のうち,まず指定地域の方々との懇談の場を設けたり,指定地域間の交流の場づくりを行ってはどうかとのお尋ねにお答え申し上げます。 懇談の場につきましては必要に応じて行ってきており,各地域とは良好な関係ができ上がりつつあると認識いたしております。 また,地域間の交流の場につきましては,里同士の活動状況や情報の交換等,貴重な場となるものと考えますので定期的な交流の機会を設けていきたいと考えております。 次に,蛍の人気が高いほど蛍の成育への支障が懸念されるがと,それから今後どのように整理していくのかとのお尋ねでございます。 ことしも各地域でホタルまつりが開催され,地元の方々を初め多くの市民が蛍見物を楽しんでおられました。しかし,中には多数の蛍を捕獲したり,不必要な明かりの問題やごみの投げ捨て等,蛍の生息上好ましくない事態も生じています。したがいまして,見に来られる方々のマナーの向上に努めることが必要であり,看板や広報紙等を活用し広く呼びかけをしてまいりたいと考えております。 次に,里の指定目標は10カ所と聞くが今後の予定と課題はとのお尋ねでございます。 ホタルの里の指定条件は,蛍の生息に加え地域の方々の理解と自主的な環境保全に対する実践活動が不可欠であります。今後指定されていない地域につきましては,随時説明会等を実施し里指定の方向で働きかけてまいりたいと考えております。 それから,西川の蛍につきましては,公園緑地部の管理範囲となっておりますので,今後協議してまいりたいと考えております。 それから次に,大規模育成場の設置を検討してはどうかとのお尋ねでございます。 幸いにも本市にはまだ自然豊かな地域も多く,自然発生の蛍も数多く見られますが,蛍の保護のため育成活動を実践されている方もおられます。しかしながら,当面はホタルの里事業の基本理念に従い生息している蛍及び自然環境を拡充し,それを保全する方向で事業を進めてまいりたいと考えております。 続いて,石井十次の顕彰についての御質問のうち十次と交流のあった子孫の方々のお話について聞いてみるべきではないか,それから高鍋町への視察の感想,大宮を考える会の方々との話し合いの場,それから十次の偉業を積極的に知らす努力をせよ,それから総合計画について,高鍋町などとの交流をどうするつもりかについてのお尋ねに一括してお答え申し上げます。 石井十次の功績に対する顕彰については,生誕地の宮崎県高鍋町を中心に顕彰会等による各種の取り組みが行われているところでありますが,本市でも岡山市100年史の中で氏の事業を紹介するとともに,新天地育児院地内や博愛会病院前における石井十次記念館や胸像の設置,さらには石井十次の孤児に対する救済事業の第一歩となった大師堂跡が市の史跡として指定されるなど,その遺徳がたたえられ受け継がれているところであります。こうした関係者の顕彰に加え,岡山市民生委員協議会では特集の中でその活動を広報して民生委員活動に生かすとともに,去る4月15日号の「市民のひろば おかやま」にも大師堂跡について掲載するなど,市としてもその偉業のPRに努めているところでございます。大宮を考える会の諸活動も氏の遺徳が市民レベルでしっかりと受け継がれている身近な例として頼もしく感じております。 議員御指摘の具体的事項につきましては,末長く氏の遺徳を伝承し,今後の福祉施策に生かしていくための貴重な提案として今後検討させていただきたいと思いますが,大宮を考える会の方々とも話し合いの場を持ってその御意見を賜りながらとり進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◎教育長(奥山桂君) 石井十次の顕彰をという中での一連のお尋ねにお答えを申し上げます。 まず,中央図書館所有の資料のチェックはしたか,またほかにも貴重な資料があるがその収集についてはどうかというお尋ねでございます。現在,中央図書館において収集保存をしております石井十次に関する資料は,石井十次日誌外18点でありまして,常時2階の郷土資料コーナーに開架し,一般利用者の利用に供しております。図書館における郷土資料の収集につきましては,所有者からの寄贈及び古書の店などからの購入によって収集を図っておりますが,今後とも関係部局と連携を図りながら資料の充実に努めてまいりたいと考えます。 次は,史跡指定以後の方策についてのお尋ねでございます。 岡山市指定史跡岡山孤児院発祥の地は旧西大寺市の指定を継承したものでありまして,上阿知の大師堂のある用地が指定対象地となっております。岡山市への合併後は史跡であることを示す柱状の標識を設置しており,また平成4年3月には由来を書いた説明板も設置をいたしまして,史跡の啓発と保存を図っているところであります。 なお,文化財としてのお世話は地元の方にお願いをいたしております。 次は,史跡整備についてのお尋ねでございます。 石井十次氏は上阿知の大師堂で孤児救済活動を始められましたが,この場所を岡山孤児院発祥の地として岡山市の史跡に指定をいたしております。その整備に当たりましては,氏の活動が始まった明治20年ごろの時代的背景や大師堂の状況を勘案する必要がございます。現在の建物は昭和30年に修復工事が行われておりまして,史跡としての本来の姿がどのようなものであったかの時代考証を踏まえた上で,管理をしておられる蓮花寺町内会の方々とも協議をしてまいりたいと考えておりますので,御理解をいただきたいと思います。 以上でございます。     〔43番山田勇君登壇〕 ◆43番(山田勇君) それでは,再質問をいたします。 ホタルまつりにつきましては,期待どおりの答弁もありましたし期待外れの答弁もあったようです。これはちょっと先ほど,局長ね,1つだけ僕はちょっと注意しときますけど,西川緑道公園沿いのホタル育成事業ですね,これなぜあなたが答弁されるんですか。僕はその辺がよう交通整理できんから,もともとあれは都市整備局の所管でしょう。そこへあなた方が行ってホタルをいろいろ仕かけてるわけですか。その辺ちょっと交通整理を,ようわからんかったもんで,その辺ちょっともう一回はっきりしてください。 それから,先ほどの答弁の中では公園管理部かなんかとよう相談しながらやるいう,まことにもう木で鼻くくったような,やるんかやらんのかさらりとした答弁しかなかったんですけどね,あれだって結構予算かけてやってるわけでしょう,予算かけて。ところが,一向にはかばかしくないいうのが実態ですね,あそこは。市街地のど真ん中に蛍を飛ばしていくというのは大きなこれは夢であるんですけど,やはりあなた方も当然専門家の方々が水の状況とか,蛍の成育状況,いろんなことをいろんな方面から考えながらやってるにもかかわらず,蛍がわかないというのはね,これはどっかにやっぱり原因があるわけですよね。そこんところをやはりきちっと解明しながら,やるんならちゃんとわいて,あの辺に乱舞するまできちっとやってもらいたいいうことをお願いしたいわけです。 ただ,一言申し上げときますと,蛍というのはやはり水とカワニナが生命線です。水が変わったら蛍いうのはなかなかしゃんと大きくなりません。これはもう厳重なもんで,例えば一本,藤井川なら藤井川で育った蛍をですね,よその川に持っていって放すとね,絶対そこでもうぷっつんしてしまうそうです。これば源氏ボタル,平家ボタルを問わずに両方とも大事なことも言っておられました,現場でいろいろやってる方が。ぜひひとつそういうことも参考にしていただきながら,もう一回西川緑道のホタル育成事業,ちゃんとした答えをくださいよ。そんな何か知らんけど,その場限りみたいな答弁されんと。 それから,足守地区で,きょうも山陽新聞ありましたけど,ホタルガイドの方々が大変な御活躍をしていらっしゃいます。これはもうほとんど皆さん方ボランティアなんですけど,このホタルガイドの方々もやはりこれからは祭りがエスカレートすればするほど当然必要になってくると思うんですね。この辺ホタルガイド,どうされるんかもあわせてちょっと答えてみてください。 それから,いろいろ私も蛍の勉強してみましたけどね,1つは東京都世田谷区あたりでは休耕田を利用しましてね,休耕田,そこに水をずっと張ってですね,そこで蛍を育てるいうふうなことをかなりやっとられます。岡山の場合はたまたまそれがシジミであったわけですけどね。やはり蛍を育てるいういろんな工夫の中で,その気になって考えていただければ使えるところがいっぱいあるいうことです。そういひとつ,いろんな知恵を出していただきながらやってもらいたいと思います。これは意見ですから結構です。 それから石井十次,先ほどの答弁ずうっと,市長と局長さん,教育長さん,話聞いておりましてね,これは全く中身がないなあいうことがもう本当に改めて実感できました。広報紙で多少出したいうようなことも言っておられましたけどね,何か今の話聞きながら思うたのはちょうどこれはセミの抜けがらみたいなもんだなあというふうなことを感じました。要するに石井十次に対しての当局の御姿勢というものは前にも後ろにも全然向いてないということです。はっきり言えば,要するに微動だにしてないということです。当局の方々いかに石井十次に対しての認識の甘さとその熱意のなさというものをですね,これは図らずも露呈したと私これはもう言わざるを得ません。 高鍋町の駅へ行きましたらね,皆さん,JR九州の駅のすぐ海岸寄りのところにね,孤児の父石井十次発祥の地いう大きな碑がありまして,これはもうだれでも見えるようになっとんです。町中を入ったら大きな垂れ幕があったりね,高鍋町いうのはもう町を挙げて石井十次やってるなあいうのが外から見ただけでもすぐわかるようになってます。そう行くまでに岡山市も相当あと何世紀もかかるんかなあと思うんですけどね,やはり郷土の偉人ですから,岡山で石井十次がやったこというなあこの際じっくり見詰め直していく必要が僕はぜひあると思うんです。 先ほど申し上げたお墓の件ですね,市長,石井品子さんのね,三友寺の境内で草むして今にも朽ち果てる寸前になってます。これ向こうの方々非常に嘆いているわけですけどね,お墓の守りまで,これはもちろんお寺さんがやっとんでしょうけど,もう岡山の方々はやってくれんいう,この話,率直に市長どう思われますか。ちょっと感想を述べてください。御感想,率直なもんで結構ですから。 それからもう一つ,これはもうとにかくずばり聞きますけどね,石井十次の顕彰いうことについて,一体全体市長と教育長,お二方さん,あなたは本当にもうやる気があるのかないのか,やる気がおありになるのか全然ないのか,そこんところをもう一回,ちょっと明快な答弁してみてください。 以上で2回目の質問終わります。 ○副議長(串田務君) 当局の答弁を求めます。     〔市長安宅敬祐君登壇〕 ◎市長(安宅敬祐君) 山田勇議員の再質問に対しまして御答弁申し上げます。 石井十次の顕彰についてですが,ちょっと前後するかもしれませんが,これまでもいろんな形で努力はしてきておるんですけれども,さらに私ども岡山で活躍された偉人でもありますので,いろいろな形でどうやったらこの顕彰がなされるか,さらに工夫をしてまいりたいと考えております。 また,奥様の石井品子さんのお墓が荒れてるということにつきましても,今の場所を管理されてるところともよく相談をして何とかきちんとしたものに整備をしていきたいと考えております。 ◎保健福祉局長(芝野浩和君) 足守のホタルガイドの整備についての御質問にお答え申し上げます。 足守の蛍の里につきましては,最近整備構想ができ上がっておりますので,それに沿って関係課で整備をしてまいりたいと考えておりますので,よろしくお願いいたします。 ◎都市整備局長(水戸川将行君) 西川の緑道にかかわります蛍について御答弁申し上げます。 西川緑道は御案内のとおり市街地の中で自然性豊かな環境を持った他の地域に誇れるような緑地でございます。こういった市街地の中でも生き物のすめる町づくりを進めるという観点から,従来から蛍の育成事業を進めてきたわけでございますけれども,残念ながら次第に蛍の飛ぶ姿が見られなくなってきているというのが実情であります。今後,水路の構造,水流,さらに管理の方法等も含め専門的な角度から研究を進めまして改善を図り,蛍が乱舞する姿が見られるよう努力してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◎教育長(奥山桂君) 石井十次の顕彰について本気でやる気があるのかというような趣旨のお尋ねでございますが,これはいわば人間の尊厳と,とうとさというようなものに目をしっかりと向けられた方でありまして,私どもにとっても大変大事なことでございます。議員さんの御指摘をも踏まえまして今後とも文化財としての保護,活用といいますか,整備につきましても十分努力をしてまいりたいと考えますので,御理解をいただきたいと思います。 ○副議長(串田務君) 次は,順序に従いまして川田君。     〔38番川田敏幸君登壇,拍手〕 ◆38番(川田敏幸君) 先ほどは山田勇議員からホタルの祭りにつきましてお話がございましたけれども,我が町足守でございますが,1万4,000人といいますけど1万6,000人ぐらい来とるわけです。2カ所でやりまして,粟井の里と,それから高田の,きょうの新聞へ報道が出ておりますけれども,そういう形でございましたので,非常にですね,人口が8,350の中ですから大変な人です。駐車場もどんなにもならんというようなことで,山田議員から御指摘がございましたけれども,私も4日,5日と,土,日とやったわけでありますけれども,土曜日の日に参りましたけれども大変な混雑ぶりでございました。足守が始まって以来の大勢の方でございまして,本当にびっくりしたようなところでございますが,それに加えてですね,活性化事業も軌道に乗りまして,だんだんと足守のよさというか文化と歴史のよさを味わっていただく,足守へ来る観光客は非常にふえております。 そこで,市長さんにですね,活性化事業,まだまだ予算をふやしていただいて,これからぼつぼつひとつやっていただくように要望をいたしておきます。 それでは,通告に従いまして質問をさしていただきます。 まず,観光対策についてお尋ねをいたしますが,本年度最後の年として,グリーンライフ岡山の創造の中でも観光を総合産業と位置づけ,歴史と自然などの資質の高い観光資源の集積を生かしながら,施設整備,観光拠点機能の強化,観光客誘致対策の充実を図っていくとして,本市の観光を吉備路ゾーン,あるいはカルチャーゾーン,マリンゾーンと大きく3体系に分けて推進をされることになっておりますが,私も観光関連産業は付加価値も高く,その推進は地域経済に,あるいは地域活性化に及ぼす影響は多大であることを考えております。そのためにも観光資源の開発整備のみならず,交通,宿泊,飲食,特産品等の販売などの関連産業の育成導入や宣伝,案内,地域の人と文化の触れ合うなど,ハード,ソフト両面にわたっての展開がなされなければならないと考えております。 そこで,本市の観光対策の中でも豊富な自然と歴史を有し,最も有望視されておる吉備路観光対策についてお尋ねをいたします。 1番は,歴史的文化遺産の保存整備だけでなく,体験型機能や文化的創造的な機能をもっと取り入れるべきではないかと思うのでありますが,どうでしょうか。 2番目には,観光客に対応するため利便のためにも宿泊,飲食,特産品販売機能等は欠くことのできないものと考えるが,これらの関連産業の導入育成のために民間への具体的な養成指導を行っているのか,また新しい制度などを設けて,これらの推進を図っていく考えはないかお聞かせを願います。 3番に,今日の観光客は,特に若い者や若い女性は観光地区内のトイレに対する意識が非常に高いと思うが,吉備路観光の公衆便所をすべて水洗化にする考えはないのか。また,先般私が高山市に視察をしてまいりましたけれども,その町並みでございますが,町並みの中にすばらしいごみステーションが設置されておりますが,その設置をする考えがあるかないかお聞かせください。 4番に,グリーンライフ岡山の創造の中で,心の触れ合う観光のまちづくりを推進するために,市民総コンパニオンの運動の一環の展開を図るとありますが,これを実効があるものとするためには具体的にはどのように進めていくのか,その手法をお示しをください。 5番に,観光客の誘致のためには観光施設の整備とともに地域と観光客の触れ合うイベントが必要であると思うのであります。吉備路観光圏内でも年に一,二回の大型イベントを実施する,これはホタルまつりもそうですけれども,実施する考えはないか,また既存観光施設の中でも小型の定例なイベントを企画することが既存施設の活性化のためにも必要と思われるがどうでしょうかお尋ねをいたします。 この項の最後でございますが,これからの観光の推進を図るためには,都市整備局とか経済局とかいうんじゃなくて全庁的な立場に立って横の連絡を十分に取り合うべきだと思うがどうかお考えを聞かしてください。 続きまして,ふるさと自然の道整備についてお尋ねをいたします。 およそ,1,500年ほど前に,足守には古代吉備の国の中核地でしたが,その首長としては吉備武彦とその子御友別の二代が足守の深茂大釜谷に館を築いて勢力を伸ばしていたのであります。このころ吉備武彦の子で御友別の妹である兄媛が応神天皇の第2のきさきとして仕えられていたのでありますが,あるとき里が恋しくなって足守へ帰ったが戻ってこないため応神天皇が迎えに来て,そのまま5カ月間滞在をされた応神天皇は,このとき兄媛の実家にたびたび出向いて大変歓待を受けたということであります。天皇は御友別とその兄弟,子供たちに吉備の国を分け与えたという,いわゆる分国伝承が日本書紀に詳しく載せられているのであります。このように由緒深い伝承の地大釜谷遺跡を訪れることをこのコースの中心目標として,古代から自然の小道を数多く残している足守の山すそを歩き,歴史探訪のハイキングコースとして整備をすることが青少年のハイカーの好みに加え,高年齢者の歴史探訪熱の高まりを見せている中で,極めて意義深いものがあると考えるものであります。 県内外からも多数を迎え全国的規模のものとなることが想定できますが,まず葦守八幡宮の国指定となっております石鳥居前の,先通りというんですが,先通りの前の参道から出発いたしますと石段を上がり境内から裏道に抜けて古代の半万池の周辺を通り越して,寺坂から恋の乢,深茂の小道を進み,約1.5キロで大釜谷遺跡につきます。ここまででは緩やかな坂といった感じの道を進みますが,途中半万池,恋の乢付近では100メートルか200メートルほど道の狭いところがあるわけでございまして,この箇所が整備する必要があると思うのであります。 葦守八幡宮は応神天皇行宮の旧跡でございますが,また大釜谷遺跡は吉備の国の大豪族吉備武彦とその子の御友別の本拠地でございました。この大釜谷遺跡から一たん引き返しまして大井の筒井坂方面に向けて進み,途中鍛冶山城址に登り,頂上から引き返して吉備津彦命の正室大井弓矢媛を祭祀,大井神社まで足を伸ばし,また引き返して安養寺で栄西禅師をしのび,上高田の鼓神社まで行きます。祭神吉備津彦命,兄媛,高田姫をしのんで,隣地にある国指定重要文化財の石造宝塔まで行きます。全長約10キロぐらいでございますが,このふるさとの自然の道とは環境庁が平成6年に全国で3カ所選定をしたのでありますが,来年度以降順次その数をふやすと予定を報道されておるところでございますが,そこで提案をいたしますが,本年度から遊歩道ネットワークを取り入れる考えはないのかお知らせを願いたいのであります。 次に,国土調査についてお尋ねをいたします。 本市に国土調査の未実施区域があり,そのために境界の設定や立会の事務処理には時間を要する弊害を来しておるのであります。早急なる未実施区域の解消が望まれるところでありますが,1番に,未実施区域は何%,また未実施区域はいつごろまでに解消されるつもりかお知らせを願いたいのであります。 簡単でございますが,以上をもちまして第1回の質問を終わらしていただきます。大変ありがとうございました。(拍手) ○副議長(串田務君) 当局の答弁を求めます。     〔市長安宅敬祐君登壇〕 ◎市長(安宅敬祐君) 川田議員の個人質問に対しまして御答弁申し上げます。 吉備路の観光対策でございますが,歴史的文化遺産の保存整備だけではなくて,体験型の機能や文化的創造的な機能をもっと取り入れるべきではないのかという御指摘でございますが,近年余暇時間の増大などから,観光客のニーズは多様化してきておりまして,観光もこれからは体験し参加して観光客自身が楽しんでいろいろな経験をするものに変わってきております。本市も例外ではなく,そうした体験的文化創造的な参加型の観光施設が求められているところでございます。そのため本市ではグリーンライフ岡山の創造に基づき,これまで歴史的文化遺産の保存のため高松城址公園の整備,足守歴史庭園の整備,備中足守町並み館などの整備をしてまいったところでありますが,体験型,文化的創造型の施設の整備につきましても,足守プラザ(仮称)を計画し推進中であります。また,今後とも吉備路観光整備全体の中でも,御指摘の体験型,文化的創造型のような方向でいろいろな工夫をして整備をしてまいりたいと考えております。 それから,また観光の場合の宿泊,飲食,特産品の販売等の育成へと,そういうふうに行政指導をしていってはどうかというお話でございますが,観光の楽しみは言うまでもなく,見て,食べて,買って帰ることが重要な要素であります。そのためには地域の特産品や工芸品などを見て買うことのできる施設が必要でありまして,これに郷土の味と豊かな人情を満喫できる飲食,宿泊等の観光関連施設が伴うのが理想的な観光地であると思われます。 これを具体化していくためには,各観光協会,観光関連業界等と連携を取りながら,観光関連産業の導入に向けて今後地域活性化策のいろいろな事業の中で各地域に芽生えつつある素材を有効に利用し,事業化できるよう人材の育成や,あるいはグループ活動の支援を今後とも図ってまいりたいと考えております。 なお,その他の御質問につきましては担当局長から御答弁さしていただきます。 ◎経済局長(山本宏君) 吉備路観光対策についてお答えをいたします。 まず,公衆便所とごみステーションについてのお尋ねでございますが,トイレの水洗化につきましては,放流水等のいろいろな問題を含んでおりますが,合併浄化槽等を含め今後水洗化を進めてまいりたいと考えております。 また,ごみステーションの設置につきましては,それぞれの観光地の景観にマッチしたものを設置してまいりたいと考えております。 次に,市民総コンパニオン運動についてのお尋ねでございますが,本市は市民一人一人が観光客を温かく迎えようと市民総コンパニオン運動を展開し,心のふれあう観光のまちづくりを推進しているところでございます。この運動の中で,これまで運輸,交通,宿泊,飲食,観光サービス関連業等の関係者を対象に観光客の温かいもてなし方などについて,講師を招いて研修会を開催をいたしております。 また,昨年の観光サービス月間にはPR用グッズといたしまして,美しい町で日本一のおもてなしと印刷いたしましたひも袋5万個を作成し,観光業界等を通じて配布し好評を得ております。 このほか懸垂幕や横断幕を掲示し,また本年度から女性観光アドバイザー制度を設けるなど市民意識の高揚を図っているところでございます。今後,観光関連業界により一層の研さんをお願いするとともに,市民の方々に対しましても,この運動をより浸透させるための講演会等の開催を初め,積極的な広報活動を展開してまりたいと考えております。 次に,吉備路観光圏内での大型イベントの実施,また小型の定例イベントの企画の必要があるがというお尋ねでございます。 観光客の誘致には,イベントの開催は大変有効な手段であり,地域の活性化とともに観光地の紹介にもなるものでございます。吉備路圏内でのより大きなイベントとの御提言でございますが,数年後には岡山城築城400年,後楽園築庭300年のイベントも控えていることから,これらイベントとも十分調整を図りながら,岡山県を初め関係6市町村,5団体で組織しております吉備路観光連絡協議会の中で今後協議してまいりたいと考えております。 現在,既存施設を利用しながら地域住民がみずから企画されている一宮支所管内の備前一宮桃太郎フェスティバル,高松支所管内の高松レンゲまつり,まほろばの里高松古墳まつり,足守支所管内の洪庵桜まつり,利玄もみじまつり,日本一ホタルの里づくり,メロンまつり等のイベントが地域活性化事業として開催をされていますが,今後ともこれらのイベントを充実し,PRするなど支援をしてまいりたいと考えております。 次に,観光の推進に当たっては関係各局が十分に連絡を取る必要があると思うがという御指摘でございますが,観光行政の推進に当たりましては,いろいろな観点から総合的に取り組んでいく必要があり,これまでも高松城址公園,古墳整備,町並み整備等につきまして関係各局と協議をしながら進めてまいったところでございます。今後とも関係各局と緊密な連携を取りながら,総合的,計画的に事業を推進してまいりたいと考えております。 次に,国土調査について未実施区域は何%か,またいつごろまでに解消するつもりかというお尋ねでございます。国土調査の未実施区域は約48%となっております。国土調査の重要性につきましては,十分認識をいたしておりまして,本年度より臨時職員2名が増員となったところでございます。今後,地区内住民の方方の御理解と御協力を得ながら順次未実施区域の解消に鋭意努力してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◎都市整備局長(水戸川将行君) ふるさと自然の道の整備につきましてお答えを申し上げます。 市におきましては今年度文化の時代をにらみつつ,ゆとりや潤いが実感できるように岡山のすぐれた水辺環境や社寺,史跡などを結ぶ遊歩道ネットワークのマスタープランの作成を計画しておりまして,御指摘の葦守八幡宮から鼓神社に至るルートにつきましても,この作業の中で検討を進めてまいりたいと考えておりますので,よろしくお願いいたします。 以上でございます。     〔38番川田敏幸君登壇〕 ◆38番(川田敏幸君) 御答弁をいただきまして大変ありがとうございました。 大分前向きに進んでおるようでございますし,トイレも本当に水洗にしていただかにゃどないもならんということでございます。 ただ一つだけ,私は要望にしときますが,国土調査でございますが,ゼロ%いうのがあるんですな,ゼロ%の地域が。だから,それを何ぼうか,やっぱりやっていただかんと非常に困りょうんですわ。いろんな開発,いろんな整備でですね,非常に困っとんです。支所の職員も同じでございますけれども,境界立会に手間がかかりですね,非常に困ってる。そのためにはひとつ経済局長,ぜひひとつね,来年度から人員もふやしていきゃええんですが,人事の総務局長がおられるんですから,人事へ言うてですな,やるんならやる気を起こさなんだらできんな。そりゃあもう絶対にこれはやっていただかんと困りますんで,よろしく要望にとどめておきたいと思いますので,よろしくお願いいたします。 以上でございます。 ○副議長(串田務君) 次は,順序に従いまして藤岡君。     〔6番藤岡康博君登壇,拍手〕 ◆6番(藤岡康博君) 連日の審議で大変お疲れのことと思います。きょうはしばらく休憩ということもありませんで,順調に来ていると思います。しばらくおつき合いを願いたいと思います。 まず,寝たきり老人ゼロ作戦についてでありますが,今年4月に岡山市は保健所政令都市となり,県から保健所が移管をされまして,約1,500に及ぶ保健業務が市に移っております。これを契機に,岡山市の行政機構も大幅に変わりまして,保健福祉局が誕生をしたわけであります。 昨年5月には,保健福祉生涯学習の拠点施設としてふれあいセンターがオープンをいたしました。今年度は西大寺ふれあいセンターの着工が予定をされておりますし,平成7年度をめどに,残る3つの地域センターも建設される予定であります。 平成4年,5年と2カ年をかけて策定をしました岡山市高齢者保健福祉計画は,国のゴールドプラン最終年,平成11年をめどに,いよいよ今年度から実施の運びとなっております。これらのことは,岡山市が福祉の先進都市となる条件を整えつつあるということでありまして,今まさに温かい福祉都市岡山に向かって邁進すべきときだというふうに考えておるわけでございます。 先日報じられております日本人の平均余齢,女性は83歳,男性は76.3歳ということで,我が国は断然世界一の長寿国になっているわけでございます。高齢化率でいいますと,2020年には25%を超えるというふうに予測されておりますし,4人に1人は高齢者になるということは皆さんもよく御存じのことと思います。 さて,寝たきりの老人ですが,1986年の厚生省の統計では,全国で約60万人となっております。大体岡山市の人口でございます。これも世界一の寝たきり大国ということで,大変な状態でございます。 こうした中で,1988年に寝たきり老人ゼロ作戦をスローガンに,国のいわゆるゴールドプランが策定をされました。その後,市町村に独自の保健福祉計画策定が義務づけられたわけでございます。国のゴールドプランが策定をされまして,寝たきりゼロ作戦ということで掲げられたわけですが,その後,今日寝たきり老人の数は減っているのでしょうか。どうも私にはそうは思えないわけでございます。 ちなみに,岡山市の寝たきり老人数,これは在宅の方なんですが,1986年には871人,それから'89年には1,030人,'92年では1,119人,そして昨年1,257人ということで,寝たきり老人の数はずっとふえてきております。そういったことを考える場合に,一体寝たきり老人ゼロ作戦というのは何だったんだろうかというふうに考えるわけであります。 さきの2月議会でも,安宅市長は寝たきり老人ゼロ作戦を言いました。そしてまた,岡山市の高齢者福祉計画の中にも寝たきり老人ゼロ作戦の展開というところで,86ページから89ページに上げられております。 そこで私は,先日高齢者福祉課に,寝たきり老人ゼロ作戦はどうなっていますかということで尋ねたわけです。ところが,高齢者福祉課は,担当課が違うということで答えられないということでございました。じゃ,どこの担当ですかということで聞きますと,保健管理課だということでありました。保健管理課の方にいろいろ説明をしていただきました。いろんな図を示していただいたり,全体の計画を教えていただいたわけですが,一言で言いますと,寝たきりにならないためのいろんな予防対策,あるいは生活指導,リハビリ指導を行っているということでありました。しかし,実際に寝たきりのお年寄りを抱えて,立ち往生されている介護者にどう対応をするのか,支援の手を差し伸べることができるのかという問題については,ここでは保健管理課の方ではやっぱり踏み込めないわけです。そういった意味で,私は寝たきり老人ゼロ作戦に対する認識のずれを感じております。 60万人を超す寝たきり大国日本,寝たきりのお年寄りの多くは,実は寝かせっきり老人だという事実,社会的介護や福祉の貧困が寝たきり大国をつくっているということを認識しなくてはならないと思うわけです。したがいまして,寝たきり老人ゼロ作戦は単に予防という保健サイドだけの問題ではなくて,福祉サイドの問題が極めて大きい意味を持っているということだと思うわけです。 寝たきり老人ゼロ作戦は,実際に寝たきりのお年寄りを抱えて苦しんでいる介護者の立場に立って,あるいは寝かせっきりにさせられているお年寄りの立場に立って,福祉サイドから取り組んでいかなければならないというふうに思うわけです。 そういった意味で,この寝たきり老人ゼロ作戦,単なるスローガンにするんではなくて,保健福祉,医療が一体となって,本当に寝たきりの老人をゼロにするんだと,そういう意気込みで取り組んでいただきたいというふうに思うわけです。この点について,まず市長の決意をお示し願いたいと思います。 以下,具体的に質問をいたします。 1,寝たきりになる原因として最も多いのが,脳卒中と骨粗鬆症などによる骨折ですが,これらに対する予防対策はどうなっていますか。 2,訪問指導と機能訓練をどう充実させるのか。現状と今後の対策をお伺いします。 3,地域のケアチームをどうつくっていくのか。寝かせっきりにしないためには,地域,小学校区単位のケアチームづくりが必要だと思います。モデル地域を設定して活動を進めていると聞いていますが,成果はありましたか。 また,ボランティア育成はどのようにされていますか。 4,ホームヘルパーの増員計画は,平成5年129名を平成11年453名にするとなっていますが,現在,市の嘱託ヘルパーは79名,公社登録ヘルパー30名,公社嘱託ヘルパー2名と聞いております。合わせて111名に実は減っているわけです。ホームヘルパーの減った理由は何ですか。 また,ことしの増員計画を,嘱託,登録ヘルパーに分けてお知らせください。 5,ホームヘルパー以外のマンパワーの増員について,増員計画があればお示しください。 6,介護手当について。本年2月定例議会で,市長提案で介護手当年3万円の支給が決まりました。このことは,額は少ないんですが,介護者の苦労に対し,市が幾ばくかの支援をしようとする方向を決めたということで,大変評価できるものだと思います。早急に具体化してもらいたいと思います。 質問ですが,1,いつから始めるのか。2,対象者は。3,手続はどうか,など明らかにしてください。 同様に,ショートステイ体験利用券給付についても明らかにしてください。 7,高齢者の住宅リフォーム促進について。すこやか住宅リフォーム助成事業の現状。今後,どう伸ばしていくのか。ニーズにこたえられているのでしょうか。 また,リフォームヘルパー制度とはどのようなものを考えているのでしょうか。 8,寝たきり老人ゼロ作戦を進めるために,庁内に連携組織をつくるつもりはありませんか。 以上で寝たきり老人ゼロ作戦についての質問を終わります。 次に,牧山のクラインガルテンについての質問をしたいと思います。 牧山のクラインガルテンについては,これまで多くの方が質問をされています。 また,ことしの2月には,岡山で開催されました市民農園国際シンポジウムでも,この牧山クラインガルテンの整備計画を,市長がみずから報告をされております。郊外型の新しいタイプの大型農園ということで,全国から大変注目をされているようでございます。 そこで私は,先日牧山の現地を見てまいりました。私が行きましたのは先週の火曜日,ちょうど梅雨の合間のいい天気でございまして,地元の業者の方が整備作業に汗を流しておられました。この予定地は7.57ヘクタールということで,かなり広い場所でした。ちょうど棚田となっておりまして,もともと大半は水田だったということです。この予定地のすぐ後ろを津山線が走っておりまして,ちょうど眼下には旭川が見えるところです。背後地は山々ですが,非常に緑に囲まれた美しい自然の中にあります。整備作業はまあまあ順調ということでした。昔ながらの石垣を残したまんま,棚田をそのまま生かして区画割りをするんだということで,自然をそのまま残す形での整備が進んでいるように思いました。ちょうど田植えの時期でして,田植えの風景も見られましたし,周囲にマスカット農園がたくさんあるわけですが,マスカットも次第に粒が大きくなりまして,収穫が近いなあということも感じたわけです。牧山のこの地は,自然を実感できる大変美しい農村というふうに感じました。 この予定地のすぐそばに農協があるわけです。牧山支所になるわけですが,ついでにそこに行きまして,いろいろとまあ聞かしていただきました。牧山学区というのは177戸543人でして,牧山農協の組合員数は150戸,また牧山小学校,これは牧石小学校の牧山分校ですが,生徒数は30人ということでございました。農家が多くて,クラインガルテンに対しても非常に関心が高いということでございました。 実は,私を案内してくださいました職員の方がおられたわけですが,この人もこの牧山に日本一のクラインガルテンをつくるんだということで,大変燃えておられたわけです。恐らく安宅市長も同じ考えを持たれているんではないかというふうに思います。 このクラインガルテン,来年の2月が完成予定,4月にはオープンというふうに聞いております。私も,日本一のクラインガルテンにしていただく期待を込めまして,幾つかの具体的な質問をしてみたいと思います。 1つは,ニーズ調査についてです。クラインガルテンはもともとドイツ生まれでして,欧米人のニーズと日本人のニーズは根本的に違うというふうに思うわけです。したがって,日本型のクラインガルテンになっていくわけですが,その際,ニーズ調査が極めて重要だというふうに思っております。牧山のクラインガルテンは,農園を4つのゾーンに分けています。市民の多様なニーズに合わせてということだと思いますが,ニーズ調査はどういうふうに行われたのか,まずお伺いをしたいと思います。 2番目,牧山クラインガルテンは,一種のモデル事業で,今後10カ所整備をすると聞いておりますが,新しい地区選定の基準があればお示しください。 3つ目,入園料と入園者見込みについて。ラウベつき農園というのが計画をされている,ラウベというのは小屋,丸太小屋みたいな小屋なんですが,この農園は面積150平米とかなり広いわけです。これにラウベが,小屋がつくわけですから,入園料はかなりの金額になるというふうに思われます。現在,景気の先行きが非常に不透明なときでもあります。入園希望者の見通しはどうか。また,普通農園,リフレッシュ農園についても,このことについてお答えをいただきたいと思います。 4番目,契約方法について。平成2年に施行されました市民農園整備促進法では,契約期間は5年以内となっています。4つのゾーンの契約期間をそれぞれ何年にするのか。また,更新はどうするのか,お答えください。 5番目,募集対象と募集方法についてお答えください。 6番目,身障者のための農園というのがありますが,障害を持つ人にも参加してもらおうということは大変評価できると思います。障害を持つ人に経済面や通園面で便宜を図るべきだと思いますが,対応を考えておられますか。私は,入園料を免除し,開放したらどうかというふうに思っておりますが,どうでしょう。 また,車いすで作業ができるよう考えておられるようですが,車いすの方の通園をどう保障するつもりでしょうか。 また,障害者の対象はどのようにお考えですか。 もう1点,身障者農園というふうな名前がついとったと思うんですが,名称については愛称をつけたらどうでしょうか。 7番目,高齢者に対する配慮について。クラインガルテン事業は,高齢者の生きがい対策でもあると位置づけられているわけですから,何らかの配慮をされて当然だと思います。具体的に,例えば入園料を割引く,あるいは農園の区画場所を駐車場から近く平坦なところを優先する,あるいはクラブハウスの中にくつろげるスペースを設けるなど,そういった配慮をぜひしていただきたいと思いますが,お考えをお示しください。 8番目,子供の遊び場,自然に親しむ場として,池の利用をしたらどうか。これは行ったときにちょうど予定地の一番上の部分に2つの,あんまり大きくないんですが,自然をそのまま残したきれいな池がありました。ちょうど上がってみましたときには蛇も出てきて歓迎をしてくれたりしたんですが,その自然の池を残して,子供たちがフナやコイを釣れるようにしたらどうだろうかということでございます。 それから9番目,化学肥料と農薬使用の制限について。クラインガルテンは,化学肥料と農薬は原則として使うべきではないと思います。安全な野菜,つくる人の安全,また自然体系を崩さないためにも,化学肥料,農薬の使用は極力避けるべきだと思います。したがって,有機無農薬栽培の指導を行うこと,あるいは土つくりやハーブ栽培などの教室を設けて指導したらどうでしょうか。 10番目,こうした有機無農薬によるモデル農園を園内に数カ所つくったらどうでしょうか。 11番,牧山クラインガルテンという名前では,一般の人になじめないと思います。そこで,愛称を公募したらどうでしょうか。 12番,通園の県道玉柏・野々口線ですが,大変狭いところや危険なところもございます。ぜひ整備をすべきだと思いますが,見解を伺いたいと思います。 以上で第1回目の質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(串田務君) 当局の答弁を求めます。     〔市長安宅敬祐君登壇〕 ◎市長(安宅敬祐君) 藤岡議員の個人質問に対しまして順次御答弁申し上げます。 まず最初は,寝たきり老人ゼロ作戦についてですが,単なるスローガンじゃなくて,寝かせっきりにさせられているお年寄りの立場に立って,本当にやるんだという意気込みで,ゼロにするんだという意気込みでやってもらいたいというお話でございます。 寝たきり老人ゼロ作戦は,国の高齢者保健福祉推進10カ年戦略,すなわちゴールドプランの一つの大きな柱になっているものでありまして,高齢化がますます進行するとともに,それに伴う疾病構造が変化する中で,その強力な推進が求められているところであります。その推進に当たりましては,予防面を中心として,ライフステージに応じた保健対策を展開するとともに,寝たきりあるいはそれに近い状態になった際の保健福祉対策の充実が重要になっているところでございます。 このたびの保健所政令市への移行に伴い,市の段階で保健と福祉を一体的に推進する体制が整いまして,この4月の機構改革におきましては,御案内のように保健福祉局を新設したところでございます。 さらに,昨年策定をいたしました高齢者保健福祉計画を今年度から事業実施に移しているところでもありまして,これらを受けて保健と福祉の有機的な連携を一層図りながら,きめ細かい施策を総合的に展開してまいりたいと考えているところでございます。 それから,寝たきりの原因として最も多いのが脳卒中と骨粗鬆症による骨折だが,それに対する予防対策はどうなっているのかというお尋ねですが,寝たきりの予防対策として,脳卒中あるいは骨粗鬆症対策の推進は大変重要な課題であると考えております。 まず,寝たきりや骨粗鬆症の予防に関する啓発活動については,健康教育や健康相談の場などで,医師,保健婦,栄養士などにより,その推進に努めているところでございます。 さらに,脳卒中の原因となる高血圧や動脈硬化などのチェックをする健康診査の受診勧奨に努めるとともに,健診の結果,要注意となった人を対象に,高血圧や肥満等の病態別の健康教育,健康相談を実施しているところでありまして,今後とも骨粗鬆症検診の導入を初め,予防対策の充実に努めてまいりたいと考えております。 次に,訪問指導と機能訓練をどう充実させるのかというお尋ねでございますが,まず訪問指導につきましては,保健婦,訪問指導員,理学療法士が各家庭を訪問して,本人や家族への看護指導等に当たっておりましたが,今年度からは新たに栄養士や歯科衛生士も加わりまして,指導の充実に努めているところでございます。 次に,機能訓練につきましては,訪問指導とのタイアップを図りながら取り組んでいるところでありまして,現在のところ民間委託3施設と直営2カ所,計5カ所で実施をいたしております。この充実を図るために,ことし8月からは新たに岡山市西大寺保健所でも機能訓練を開始するため,現在準備を進めているところでございます。 今後とも引き続きこれらの事業のPRに努め,ニーズの掘り起こしをするとともに,事業の充実を図ってまいりたいと考えております。 次に,牧山のクラインガルテン事業についてのお尋ねでございますが,まずニーズ調査をどうしたのかというお尋ねですが,市民の要望をとらえ,農園の整備に反映させるために,平成4年度にニーズ調査を行っております。この調査は,岡山市に在住する20歳以上の男女2,000人を無作為に抽出して行ったところでございます。結果を見ますと,回答者の73.3%は,都市と農村交流への興味を示し,55%は市民農園を利用したいと考えており,また希望する農園の広さ等につきましては,50から100平方メートルが適当とする人が全体の50%以上,100平米以上とする人が全体の40%以上となっております。 牧山クラインガルテンの整備に当たりましては,1区画の面積は従来の市民農園の面積より広い区画が必要と考えて決定いたしておりますが,こうした点についてもニーズ調査の結果を反映さしておるわけでございます。 また,新しい試みとして,リフレッシュ農園,身障者の方の農園を設けるようにしておるところでございます。 それから,牧山以外の新しい地区の場合の選定の基準についてのお尋ねですが,牧山地区で現在行っておりますクラインガルテンは,今後整備を行う農園のモデルとして整備を行っているわけでございます。このモデルをもとに,各地域でクラインガルテン整備のための検討をしていくこととしております。 なお,今後の地区選定の基準といたしましては,市民農園整備促進法に該当していることに加えまして,1つは面積規模はおおむね2ないし3ヘクタール以上のもの。2つ目は,用地の借地料,整備に要するコストが適切なこと。3つ目は,管理運営に際して地元住民の協力が得られること。4つ目は,利用者及び地域住民のコミュニケーションの場,地域交流の場として必要な附帯施設が整備されること。などの条件が必要と考えているわけでございます。 なお,その他の御質問につきましては,担当局長から順次御答弁さしていただきます。 ◎保健福祉局長(芝野浩和君) 寝たきり老人ゼロ作戦についての御質問に御答弁申し上げます。 まず,地域のケアチームをどうつくっていくのか,モデル地域を設定して成果はあったかとのお尋ねでございます。 本市では,昭和61年から地域ケア支援事業としてデイセンター活動促進事業を実施,推進しているところであります。この事業は,地域のボランティアの手により,虚弱な高齢者を対象に,より身近な地域で趣味,生きがい活動,健康促進,食事サービス,入浴サービス,送迎サービス等を行い,あわせてこれらの活動を通じて幅広いボランティアの養成を行うことにあります。この活動は,地域の実情,特色を生かしたきめ細かなサービスを行い,触れ合い活動による孤独感の解消のほか,寝たきりや痴呆予防のための健康教育,栄養指導,リハビリ教室等を通じて,高齢者のニーズを把握し,必要なケアサービスを関係機関につなげていくという一連のチーム活動が特色であり,地域の方々から高い評価をいただいております。 地域ボランティアの構成は,町内会や地区社会福祉協議会を母体として,民生委員協議会,婦人会,愛育委員会,栄養改善協議会,老人クラブ等,地域の保健福祉活動団体を取り込む形で展開しており,地域ケア推進事業の重要な役割を担っているものと考えております。 現在,市内10小学校区で活動をお願いしていますが,地域のボランティア組織の要望に基づき,今後も毎年度1ないし2学区程度の拡大をしていきたいと考えております。 次に,ボランティアの育成はどのようにされていますかとのお尋ねでございます。 地域ボランティアの育成は,今後ますます多様化する高齢者のニーズにこたえるためにも重要であると考えます。ボランティアを育成するためには,地域の皆さんが時間的な余力や趣味,能力,経験を生かして,だれでも,いつでも,どこでも気軽に参加できる活動内容と組織づくりが必要でございます。そのため,岡山市社会福祉協議会においては,ボランティアセンター事業として,ボランティア養成研修,ボランティア活動の組織化事業,ボランティア活動の基盤整備,ボランティア登録あっせんを実施しております。 その他,岡山ふれあいセンターでは,ボランティア養成講座を開設しておりまして,今後は計画中の地域センターを中心に,市内地域に広げていきたいと考えております。これらの事業やデイセンター事業を推進することにより,ボランティアの育成に努めてまいりたいと考えております。 次に,市と公社のヘルパーが合わせて111名に減っています。減った理由は何ですか。また,ことしの増員計画をお知らせくださいとのお尋ねでございます。 ホームヘルプサービス事業について,平成5年度までは市常勤ヘルパー79名以外に,市社協,特別養護老人ホーム4カ所及びシルバー人材センターへ事業委託し,それぞれの登録ヘルパー60名により実施してまいりましたが,派遣体制が複雑になっていたため,この改善を図ったものでございます。 すなわち,今年度よりこの事業委託を財団法人岡山市ふれあい公社へ移管し,市社協,特別養護老人ホーム,シルバー人材センターについては,委託を廃止しており,その際公社への登録を希望しなかった等のヘルパーがいたため,ヘルパー数は表面上は減ったように見えますが,派遣実績は増加しており,さらに今後早急に増員を図ることにしております。 そこで今年度の増員計画でございますが,現在,公社において,常勤ヘルパー5名と登録ヘルパー77名を確保し,全体で192名体制にするため,募集作業に取りかかっているところであります。この増員により,特別養護老人ホーム待機者を初め,援助を必要としている世帯に対し,積極的に派遣を進め,今後の多様な市民ニーズに柔軟かつ適切に対応できる体制を整えてまいりたいと考えております。 次に,ホームヘルパー以外のマンパワーの増員について,増員計画があれば示していただきたいとのお尋ねでございます。 ホームヘルパー以外のマンパワーとなりますと,予防面が中心となるわけでありますが,関係の職員につきましては,このたびの保健所政令市への移行を機に,必要な職員数の増員を図ったところであります。このうち寝たきり老人ゼロ作戦の推進を含む対人保健関係の専門職については,歯科医師,保健婦,栄養士,歯科衛生士,理学療法士を合計13人増員したところであります。今後,事業の拡充等による増員については,民間のマンパワーの活用も図りながら,業務実態に応じた適切な対応を図っていく必要があると考えております。 次に,介護手当,ショートステイ利用券給付について,いつから始めるのか,対象者は,手続はとのお尋ねでございます。 介護手当給付事業及びショートステイ体験利用券給付事業につきましては,寝たきり高齢者台帳整備事業及び介護者アドバイザー事業とともに,介護者支援事業の一環として今年度から新規に導入し,従来の在宅保健福祉サービスとあわせて,在宅介護者をよりきめ細かく支援していこうとするもので,4つの事業がそれぞれ有機的に,また実効の上がるものとなるよう,対象者を含め,方策を検討中であります。 現在の目標としては,給付時期については,10月ごろには申請受け付けを開始し,遅くとも年内給付を目指したいと考えております。 次に,すこやか住宅リフォーム助成事業の現状と今後についてのお尋ねでございます。 在宅介護支援施策の一つとして,本市では昨年度から市の独自事業としてすこやか住宅リフォーム助成事業を新設したところ,利用者から非常な好評を得ているところであり,昨年度の実績を踏まえて,本年度はより一層の事業拡充を図ったところであります。 さらに,このたび県の補助事業で,高齢者及び重度身体障害者住宅改造助成事業が新設されたところであり,今後この制度のメリットを有効に活用し,本市のすこやか住宅リフォーム助成事業の充実につなげていきたいと考えております。 次に,リフォームヘルパー制度とはとのお尋ねでございます。 リフォームヘルパーとは,おおむね65歳以上の要援護老人のいる家庭で,高齢者向けに居室等の改良を希望する方に対し派遣されるものでございます。そのサービス内容は,介護福祉士,ソーシャルワーカー等の福祉職,理学療法士,作業療法士,保健婦等の保健医療職及び設計士または施工者等の建築関係職の専門家が連携して,対象者宅を訪問して,住宅改造に関する相談,助言を行うとともに,施工者の紹介,改造内容についての業者への連絡調整,改造後の評価及び指導,関係機関との連絡調整を行うことが主なものでございます。このリフォームヘルパー制度導入については,今後検討を進めることとしておりますが,当面はこれにかわるものとして,本年度より在宅介護支援センターを活用して,住宅改造に関する相談を受けるとともに,必要に応じて作業療法士,在宅介護支援センター職員,さらには工事施工者も含めてのチーム方式により,専門家による改造内容の助言,指導を行うこととしております。 次に,寝たきり老人ゼロ作戦を進めるための庁内連携組織についてのお尋ねでございます。 このたびの保健所政令市への移行に伴い,事業の円滑な推進を図るため,それぞれの保健所に寝たきり老人ゼロ作戦を推進するための組織を,外部の関係者も含めて設置するよう,現在準備を進めているところでございます。 以上でございます。 ◎経済局長(山本宏君) 牧山クラインガルテンについての御質問にお答えをいたします。 入園希望者の見込みにつきましては,普通農園,ラウベつき農園につきましては,ニーズ調査の結果や問い合わせ等から入園希望は相当程度見込めるものと考えております。 グループでの利用を念頭に置いておりますリフレッシュ農園につきましては,新しい試みであることから,今後PRをしてまいりたいと考えております。 契約の方法につきましては,利用期間につきましては全区画とも1年契約とし,最長5カ年まで更新を認めることで,現在検討をいたしております。 募集対象と募集方法につきましては,募集につきましては市民を対象に,今秋を目途に「市民のひろば おかやま」等に掲載し,申し込みを受け付けることといたしております。 身障者向け農園につきましては,高さ85センチメートル程度のプランター形式としており,車いすやいすに座って作業のできる障害者の方を対象といたしております。 また,普通農園を利用できる程度の軽度の障害者の方には,普通農園の方を利用していただきたいと考えております。 入園料につきましては,今後他の公共施設の利用料設定等を参考に検討してまいりたいと考えております。 車いすの方の通園につきましては,利用される方の方で通園できるように考えていただきたいというふうに考えております。 また,身障者農園の愛称につきましては,今後検討してまいりたいと考えております。 次に,高齢者に対する配慮につきましては,募集に際し,高齢者の方の希望を尊重した区画割り当てを検討してまいりたいと思います。 また,休憩場所といたしましては,それぞれの農園内にラウベやパーゴラなどを設置し,クラブハウス内には談話室を設けており,利用者間のコミュニケーションが図られるものと考えております。 入園料につきましては,他の公共施設を参考に検討をしてまいりたいと考えております。 池の利用についてでございますが,ふれあい広場に整備する池は深さも浅く,子供たちが水遊びを楽しめるようにしており,家族とともに一日楽しめる場所になるものと考えております。 また,最上部の二つの池の釣り堀等の利用につきましては,農園の散水用の水を二つの池からくみ上げることにいたしておりまして,水位変動,えさによる水質の悪化,維持管理の体制等の問題があり,困難であると考えております。 次に,農薬使用の制限についてでございますが,また見本園を何カ所かをつくったらどうかとのお尋ねでございますが,農園は有機肥料を使用し,無農薬栽培を基本とするよう,利用者にお願いする予定でございます。また,栽培講習につきましては,農業改良普及所,農協等の協力を得て,土づくりから野菜,花,ハーブ等の指導を定期的に行う予定としており,その指導に必要な見本園の設置もあわせて行うことといたしております。 次に,愛称の公募につきましては,地元からの要望もあり,今後公募を含め検討してまいりたいと考えております。 次に,アクセス道路についてでございますが,県道玉柏・野々口線の整備につきましては,現在県において拡幅工事を行っておりまして,早期に完工するよう今後要望してまいりたいと考えております。 以上でございます。     〔6番藤岡康博君登壇〕 ◆6番(藤岡康博君) 再質問をさしていただきます。 大変詳しい説明をいただきましてありがとうございます。 寝たきり老人ゼロ作戦につきましては,先ほどもちょっと言いましたけど,どうもこれ大変耳ざわりのいい言葉でして,スローガンに終わっているんではないかという気が強くするわけです。1986年の厚生省の統計で約60万人というふうに出ておりまして,このときの予想では,平成7年には85万人,平成12年には100万人になるだろうというふうな予想も,実は当時なされているわけです。ところが,この国のゴールドプランが出されまして,今4年たっているわけなんですが,現状では何人の寝たきり老人がいるのかということについては,調査がされているのかされていないのかわかりませんが,全く発表がないというのが実情なんです。高齢者福祉の方にお願いをして,随分調べていただいたんですが,どうも出てこないわけなんです。そういうことを考えますと,どうも寝たきり老人ゼロ作戦というのは,国が単なるスローガンに使っただけでありまして,実際は全国的になされていないんではないかと。 岡山ではどうなのかということで,実は今回取り上げてみたわけなんです。高齢者福祉の方も実態を,岡山市の実態を的確につかんでいるとは,実は思えないわけなんです。在宅の寝たきり数については一応の数が出てるわけなんですが,医療機関や,それから老人ホームの寝たきりということになりますと,きちっとした数がつかめていません。寝たきり老人ゼロ作戦と,作戦がつくわけですから,その作戦がどうなっているのか,どこがポイントなのかということで,実は今回お尋ねをしたかったわけです。今後どうするのかということも含めて,お尋ねを実はしたかったわけなんです。そういった意味で,ほっとけばどんどんふえることです。今後私ども,いずれ年をとっていくわけですから,あすは我が身ということになろうかと思います。本当に寝たきりのお年寄りの状況というのは,大変悲惨です。そういった意味で,本当に寝たきり老人をゼロにするんだという立場に立って,今後このゼロ作戦をひとつ柱に据えて,岡山市の高齢者保健福祉計画の柱に据えて頑張っていただきたいというふうに感じておるわけでございます。ぜひとも御答弁をお願いをしたいと思います。 それから,クラインガルテンにつきましては,いろいろあるんですが,日本一のクラインガルテンになるようにぜひ頑張っていただきたいと思います。今の時点で全部いろいろほかの質問をしてもなかなか難しい面があろうかと思いますので,私もこれからクラインガルテンについてはいろいろと勉強をしながら,9月にもう一回質問をしたいと思います。ということで,2度目の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。 ○副議長(串田務君) 当局の答弁を求めます。     〔市長安宅敬祐君登壇〕 ◎市長(安宅敬祐君) 藤岡議員の再質問に対しまして御答弁申し上げます。 寝たきり老人ゼロ作戦は単なるスローガンに終わらないようにと,こういう,スローガンになっているんじゃないかという御指摘でございますが,その前提として,まず作戦という以上はですね,いろんな問題点を明らかにする,それをつかむ上でやっぱりきちんと,どういう,何人いると,あるいはまたその方がどういう状態になっている,あるいは周りがどういうふうな状態になっているかということをつかむべきだ,おっしゃるとおりでございまして,私どもとしましては,その一環としまして,ことし6月に特養の待機者につきましては,全般的な把握をしたいと考えておりますし,また寝たきり老人の実態につきましても,これはいろんな,本当に確かにとらえる基準というのはなかなか難しいんですが,そこの基準をきちんとしまして,その数,あるいはその状態等を把握していきたいと思っております。 ゴールドプランそのものも,現在では不十分だと,できるだけ,前の議会でも御質問が出ましたけど,もっと前倒しをすべきだというお話もありました。国の方も新ゴールドプランというふうなことも言われておりまして,本当に寝かせっきりにしないためにどうしたらいいかといったことにつきましては,ホームヘルパーの増員をさらに進める。また,先ほど局長の方から答弁さしていただきましたが,寝かせっきりにしないための地域のケアチームづくりですね,これが徐々にではありますが,各地域でモデル地域のような形で出てきておりますが,これをもっとふやしていく,輪を広げていくといったような,ありとあらゆる,これが本当にこの作戦を成功させるというのはなかなか多方面からのアプローチが要ると考えておりますが,御指摘のように,この岡山市の高齢者保健福祉計画の中心的な柱として,実際に本当に寝たきり老人ゼロに向けて最大限の努力をしてまいりたいと考えております。 ○副議長(串田務君) しばらく休憩いたします。      午後2時59分休憩      ~~~~~~~~~~~~~      午後3時26分開議 ○副議長(串田務君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 次は,順序に従いまして近藤君。     〔5番近藤昭君登壇,拍手〕 ◆5番(近藤昭君) 大変お疲れのところだと思います。議員の皆さんには,まだ1人残っとんかという思いと,当局の皆さんは,やっとあと1人かという,そういうお気持ちであろうと思いますが,質問時間に関しましては30分以内で切り上げたいと思いますので,しばらく御清聴をお願い申し上げます。 さて,今回の質問につきましては,また1930年代との近似性の問題を,最近起きました出来事を焦点を当てまして,市長以下に御質問をしたいと思いますが,先般から市長に対しまして,大体首長としての理念と哲学が市長にない,こういう批判が前からあります。最近では,その上につけ加えて,文化と芸術性がないと,こういうことが最近とみに言われておりますので,ぜひ理念や哲学や文化や芸術性もある首長なんだということをお見せいただきたいと,そういうふうに思います。 さて,通告に従いまして,京都朝鮮総連への政治弾圧についての教訓ということで,幾つかの教訓の点について御質問をさしていただきます。 冒頭お断りをしておきますが,私は朝鮮語が読み書き,話ができませんので,日本語で発言をさしていただくことをお許しを願います。 さて,前回の2月の定例議会の中で,ファシズムの問題を取り上げて言いました。ファシズムとは,全有産階級の利害を守る最後的で最も醜悪な最も暴力的なテロリズム独裁である。これはデミートルフの定義でありますが,そういう定義であります。同時に,ファシズムというのは,上からと下から,2つの側面からやっぱり出てくるという特徴を全世界的に持っています。上からは議会を通して出てきます。下からはファシズム大衆運動という,そういう運動を通して,その上と下からが同時並行的,相互媒介的に推進をするという,そうした特性を持っているんですね。ドイツであるとか,イタリアであるとか,日本でも全部そうであります。片一方からだけではない,議会だけではない,大衆運動だけでもファシズムは完成し得ないという,そういう特性であります。 さて,現在の羽田政権が,そうしたファシズム,ファシストに転化をする可能性を色濃く持っているというのを,私は否定できない。私だけの考えかもしれませんが,そう思うわけであります。日本の特性というのは,特に天皇,天皇制を政治の前面に立てるという特性を持っています。これは,1つは階級亀裂の縫合を国民統合の象徴として行うという,そういう特性を日本では持っていたわけであります。同時に,天皇,天皇制が政治の前面に登場するということは,メダルの裏表の関係で,差別と排外主義が強化をされるという,こういう歴史的な事実も日本では持っていました。 ちなみに,日朝関係──イルチョ関係でいいますと,1875年の江華島──日本語ではコウカトウ,江華島事件が1875年,今から118年前に起こりまして,その翌年の1876年には日朝修好条規というのが,不平等条約でありますが結ばれる。それから,具体的に朝鮮に対する侵略が始まるわけであります。ちょうど今から117年前であります。で,1945年までの間,ちょうどその江華島事件から朝鮮侵略が始まったとすれば70年間の間,ずっと日本帝国主義が朝鮮に対して侵略を歴史的に刻みつけてきたという,そんな長い歴史を,このイルチョの関係,日朝関係では持っているということも歴史的に証明をされていることを覚えていただきたいと思います。 直接的には1910年から始まった日本帝国主義の朝鮮侵略,併合の35年間というふうに言っていますが,一貫して朝鮮民族に対して創氏改名,名前を変えろ。日本語の強制,ハングルや朝鮮語を使うな。さらに,一方的な土地の収奪,私有財産の没収,従軍慰安婦の強制や強制連行など,まさに人を人と思わない国家政策による民族排外,差別主義が続いてきた歴史でもありました。 その後,1945年,日本の敗戦によって,朝鮮の自主独立解放が達せられて以来,はや50年,半世紀をたとうとしている現在でありますが,皆さん,当局も議員諸公も御案内のように,昨今共和国,朝鮮民主主義人民共和国の核査察がマスコミにより大きく報道される。そういうことの一方で,羽田連立内閣が有事体制づくりから憲法改悪を骨子にした,具体的にはPKO部隊の海外派兵の実績を突破口にした朝鮮半島への軍事出兵を現実に考えているというような状況に今なりつつあるという状況であります。そうした政治状況の中で,普通の国家として,先般起こりました朝鮮総連大阪府本部に威力業務妨害罪,それに引き続いて6月6日,朝鮮総連京都府本部へ京都朝鮮学園の移転,国土利用計画法違反を,京都市の単なる検索ミスにつけ込んで,政治的意図を持って,全く関係のない個人宅を含んで27カ所にも上っている,京都府警約400名が早朝から不当にも強制捜査を行ったということは,これは新聞,テレビなどでもう御承知だろうと思います。どういう意図で,具体的に強制捜査であったのかということはもう報道をされています。 しかし,私はそうした具体的な質問に入る前に,2つの点だけを明らかにしておきたいと思います。 1つは,ソビエト連邦が1917年にロシア革命からあったわけですが,崩壊をした現在,世界の中で世界の人口を,人類を200回も殺せる,そういう核兵器というのが今現実に世界の中で貯蔵をされているんですね。しかし,その世界の中で貯蔵をされている核兵器の中で,最も殺傷力の高い,質のいい,しかも大量の核兵器を持っている国というのは,これはアメリカなんですね,アメリカです。アメリカがまさに抜群の核保有占有体制をひいておる。その一方で,核実験をあくまでもアメリカはネバダの中で行うということも一方では続けながら,みずから核廃絶に向けた計画も全く示さない,そういうアメリカが一方的に核開発途上国などに対して経済封鎖や軍事行動などの恫喝をとるということは,アメリカは持っていてもいいが,よその国が持つことはけしからんという,まさに帝国主義の論理といいますか,本当に我々の理解をはるかに超えた次元の本性と言っても私は言い過ぎではないと思うんです。したがって,そうしたアメリカには,たとえ後進国の核開発途上国が持っていた,仮に持っていたとしても,私は共和国を批判するアメリカに対して,その資格も責任も道義性も全くない,こういうことを1つは言わざるを得ません。しかし,同時に私は,かねてから社会党が,我が党がこの間主張してきたとおりに,あらゆる国のいかなる核についても,核実験についても反対という立場から,中国を含めて「社会主義国家」と言われる国の核開発にも引き続き反対であることも同時に明らかにしておきたいと思います。 そこで具体的に市長以下にお尋ねに入りたいと思います。 過去の,市長,歴史的な事実を踏まえて,イルチョ──日朝関係,とりわけ在日70万人の朝鮮人,韓国人に対して強制連行から戦後の今日に至るまでの差別と迫害の歴史的な事実について,市長の率直な御感想をお聞かせいただきたいと思います。 昨日,崎本議員から第2次大戦の侵略規定について市長のお考えを伺ったところ,侵略と認めなければならないと,そういう御発言があったわけですが,個別,とりわけ朝鮮の問題につきましては,非常に歴史的にアジア一般ではなくて,特殊な特異な状況がありますから,ぜひその在日70万人の朝鮮,韓国人の問題について,率直なお考えを聞きたいと思います。 2つ目には,さらに6月9日に,6月6日に強制捜査,京都府警の捜索を踏まえて,我が社会党の中央本部と京都府本部による合同調査団によって,京都市・京都府警,朝鮮総連京都府本部から事情聴取をして,6月10日に参議院の予算委員会,衆議院の中央行政委員会などで石井一自治大臣,国家公安委員長を初め政府関係者の追及を行ってきました。その調査の中でわかったことでありますが,6月3日に実は京都市に府警が,国土利用法違反で告発をせいと,こういうふうに京都市に府警が訪れてきたときに,京都市の理財局──担当が理財局ということでありますから,理財局は告発するかどうか調査と態度決定までに7日もしくは10日で結論を出すので,もう一度7日か10日に,早ければ7日に出しますというふうにお答えをしておったにもかかわらず,府警はその約束の前の6日に,京都市に何ら連絡をすることもなく,一斉に27カ所の強制捜索を行ったということの事実もこれ判明をしたわけであります。したがって,逆に言えば,京都市のメンツが丸つぶれになったわけでありまして,地方自治体の意思が完全に無視をされたことになる。こういうことに対して,首長の一人としてどうお考えなのか,お聞かせをいただきたいと思います。 さて2点目,京都府警の謝罪と責任を求める教訓であります。 京都府警は,国土利用計画法に基づく,京都市には届け出の検索ミスを口実に,不当捜査,政治弾圧を行った。これは明らかに京都府警も認めておるわけでありますから,不当捜査と政治弾圧であるというふうに,もう言い切っていいと思うんですが,朝鮮総連側に何らの落ち度もないことが,もうこれは明々白々と今なってきたわけであります。しかも,そういう時点でもなお,被害者である朝鮮総連の皆さんに対して,真心から謝罪をすることを一切しない。あまつさえ,京都市が悪くて警察は悪くないという,そういううそぶくありさまで,まさに警察が居直り強盗的な対応に終始をしておると,そういうふうに言い切られてもやむを得ない。こうした行為は,恥の上塗り以外の何物でもなく,さらに在日朝鮮・韓国人への許しがたい民族差別事件であると,こういうふうに指摘ができると思います。間違いに気づけば,被害者にまず心から謝罪をし,許しを請うのが社会通念,常識でもあり,私は日本人の一人として激しい怒りとともに深い反省と本当に恥ずかしい思いも同時に覚えるわけであります。したがって,岡山市として京都府警に対して謝罪をし責任を求める当たり前の道義的な責任,このことについて何らかの動きを早急に考え行うべきだと思いますが,お考えについてどうでありましょう。お伺いをしたいと思います。 国土利用計画法違反の手続上の教訓であります。 ただいま述べましたように,経過につきましては,簡単なコンピューターの検索ミスで出てこなかった,したがって京都府警からの照会に対してないと,こういうふうに答えた,こういう事件でありました。政令都市の京都と我が市では,本質的にその許認可権限が違います。許認可権限が違いますから,岡山市ではどうなっているのかということの質問であります。国土利用計画法の届け出の照会が,例えば岡山県警から一昨年,昨年2年間に何件ぐらいあったのか,お示しを願いたいと思います。国土利用計画法で一体どういうことがあるのか,こういうことの証明であります。 2つ目,その照会の根拠についてお尋ねをしたいと思うんですが,国土利用計画というのはですね,岡山市民が一般的に自由にだれでも照会をすれば見してくれることができるのかどうなのか,それとも例えば京都府警でやったように,岡山の県警が刑事訴訟法第197条に基づいて行われているのか,本市の現状をお示しください。 3つ目,京都市の理財局用地審査課というところで,実は検索ミスがあったわけであります。本市での文書管理体制について検索ミスがないような方法があるのか。例えば同様の事件というのが本市でも起こり得る可能性があるのかどうなのか。このことが京都市とのその教訓の総括に私はなると思いますので,もしそういうミスがある可能性があればですね,早急に是正をしなきゃなりませんので,検索ミスのないような方法があるのかどうなのか,お聞かせを願いたいと思います。 4つ目,また国土法違反で県が県警に告発をし,県警が家宅捜査を含む強制捜査を行った例があるのかどうなのか。京都ではまさに市の方に告発の要請を県警がやって,市が告発しないにもかかわらず京都府警の主体的な判断で政治弾圧を行った,強制捜査を行ったということになっていますが,過去岡山県で県警に岡山市が告発をして,家宅捜査を含む強制捜査を行った例があるのかなかったのかという例であります。これは各都市とも本当にないということなんで,京都がいかに無法なことをやったのかという証明に私はなるのではないかと思います。 さて4つ目,朝鮮学校生徒への暴行差別発言の教育的な教訓であります。このことが,実は差別の問題と深くかかわっていまして,人やお金の問題というのは,一定努力とか,お金があれば解決ができることが多ゆうございますが,その差別の問題というのは,人が死ぬる,人を殺すという問題でありますから,大変深刻であります。ある意味では,今岡山で起こっているいじめの問題による全国的な自殺の問題や,非行,不登校の問題と非常に大きな接点があるように思われてなりませんが,全国的に120件以上の在日朝鮮人,韓国人への暴行差別事件がもう多発をしておる時代であります。例えば通学電車内で,チマチョゴリ──民族服が刃物で切られる事件,電車内で70歳ぐらいの男性が,「朝鮮人」という差別発言を行う。高校生20名ぐらいに集団暴行が行われる。そういうことが全国紙,マスコミで取り上げられています。本市岡山でも,この種の民族差別事件に基づく事件が起きているのかどうなのか。これは起きているんですね,残念ながら。関係者のお話によりますと,本年の4月以降に何件被害を受けたのかというアンケート調査をやったところ,結果的に7件が報告をされたということであります。これはあくまでも氷山の一角でありまして,実情はもっとこれに数倍はする被害の例があるわけでありますが,当面は7件が報告をされたと。まず,福浜学区で,チマチョゴリを着ていた中学校3年生の女生徒と中1の女生徒に「朝鮮人」という差別発言をののしるという事件,さらに妹尾のマルナカ付近,これは妹尾のマルナカでありますから,どこにあるんか私はよくわかりませんが,お知りの方がいらっしゃると思うんですが,その付近で日本人の男性から中学校3年生の女性が,「おまえは朝鮮人か」などと学校のことをしつこく聞かれた事件,嫌がらせであります。また,バスを待っている間,繰り返し差別動作を行うなどということが調査によっても明らかになっている。岡山市で実際に朝鮮人,韓国人に対する差別発言,差別言動が繰り返し今も行われているということであります。しかも,大人たちはもちろんのこと,中学生から差別されたという全国的には例も報告をされております。事は重大であります。 そこで質問に入らしていただきます。 これは教育長にお答えになっていただきたいと思いますが,岡山市では中学2年から3年の社会科の中で民族問題について扱っています,社会科の中で。どういう中身で民族教育を扱っているのか,お答えを願いたい。 2つ目,その中で在日朝鮮・韓国人70万人が,かって日本帝国主義の朝鮮侵略以来,強制的に日本に連行してきた歴史的事実をきちんと表記してあるのかどうか,お答えを願いたい。 3つ目,また従軍慰安婦についてどう記述をされているのか,このことについても明らかにされたいと思います。 4点目,今回の全国的及び岡山市での具体的な民族差別事件について,市教委としてどのような対処,指導をとられたのか,そのこともお伺いをしたいと思います。 5点目,現在問題になっている日本人……,ホワイトカード,10分ですというカードが出てまいりました。 現在問題になっている日本人小・中学生間のいじめによる自殺,暴行など,深刻な問題と同等,もしくはそれ以上に在日朝鮮・韓国人に対する民族差別事件は深刻であります。教育長の率直な感想,お考えとともに,今後どのような具体的な解決策があるか,決意も含めてお答えを願いたいと思います。 さて,多目的広場の問題につきましてお答えを願います。 ゲートボールもできる屋内多目的広場の建設についてであります。どなたかがサッカーもできる何とかという御発言で,とちらに比重が置いてあるのかという論議になりましたが,私もその例に漏れず,ゲートボールもできる屋内多目的広場の建設についてお伺いをさしていただきます。 1995年の来年か再来年には正式競技種目として国体に採用されるであろうゲートボールであります。このことについてお尋ねをします。この問題につきましては,昨年の6月,新谷議員も特定の屋内ゲートボール場というふうに限って御質問をなさっておりまして,私は専用ゲートボール場ではなくて,屋内多目的広場ということで限定をさしてお話しを申し上げさしていただきますが,高齢化社会の本格的突入を迎えた今日,ゲートボールを中心にした生涯スポーツへの参加は引き続き将来にわたり大きな関心を呼びますということてありまして,具体的な質問につきましては,生きがいづくりとか社会参加,このゲートボールの意義,意味というのは,大きな意味を持っていると思います。 以上を踏まえて,ゲートボールへの本質的理解と位置づけ,またはゲートボールもできる屋内多目的広場の新設について,市長のお考え方を尋ねてみたいと思います。 2つ目,ゲートボールもできる屋内多目的広場の新設を展望すれば,利用者の利便性からトイレ,公衆電話などとともに医療施設の充実や軽食が用意でき,運動後のシャワー,ふろなどの設備もできる,できるだけ併設されるのが当たり前となっているんですね。したがって,交通アクセスも加味すれば,適地は絞られてきます。したがって,具体的には桑野ふれあいセンターの直近に位置をする桑野地先にある約2万平方メートルの桑野スポーツ広場に設置をしたらと思いますが,どうでありましょう。したがって,桑野スポーツ広場での現在の使用度,利用状況をお教えください。 さらに,桑野スポーツ広場の今後の使用計画があるのかどうなのかということもお聞きをしたいと思います。 そして,どうしてもそれは無理なんだということで,それ以外の適地がありましたらお示しを願いたいと思います。 以上で第1回目の質問を終わりたいと思います。 大変ありがとうございました。(拍手) ○副議長(串田務君) 当局の答弁を求めます。     〔市長安宅敬祐君登壇〕 ◎市長(安宅敬祐君) 近藤議員の個人質問に対しまして御答弁申し上げます。 まず最初は,在日朝鮮・韓国人に対する今日までの差別と迫害の歴史的事実について,どういう感想を持つのかというお尋ねでございます。 我が国と隣接の朝鮮半島とは,今日までさまざまなレベルでの交流が行われてまいりました。そうした中で,御指摘のような強制連行等の歴史的事実があったとされる点につきましては,私自身まことに遺憾に思うものであります。アジア諸国の人々,とりわけ我が国の国民とともに暮らす在日の韓国・朝鮮の人々とは,相互の人権を尊重し合う中で,今後一層友好関係を深めてまいらなければならないと考えております。 それから次に,京都府警の強制捜査というのは自治体の意思を無視したことにならないのかと,また京都府警に対して市として,岡山市として謝罪と責任を求める動きをしたらどうかというお尋ねでございます。 この事件は,捜査における政治的意図などをめぐって問題になっておりますが,事件の事実関係等は新聞報道等による情報に限られておりますので,事件に対する具体的な論評等は差し控えさしていただきたいと思います。 ただ,公権力の行使,とりわけ刑事事件における捜査活動は,人の身体や財産に大きな影響を及ぼすことから,法の適正かつ公正な運用に基づいて行われることが重要であると考えております。 それから次に,ゲートボールもできる屋内多目的広場の建設ということについて,ゲートボールについての対する市長の考え,あるいは適地に桑野スポーツ広場についてどう考えるかというお尋ねでございますが,スポーツは人々が明るく健康で活力に満ちた生活を営む上で極めて重要な役割を果たしております。中でもゲートボールは,生涯にわたって楽しむことのできるスポーツの一つであり,健康づくり,仲間づくり,さらには生きがいづくりと,大きな効果を上げていると認識をいたしております。屋内多目的広場の整備につきましては,ゲートボールを初め各種イベント等の利用も勘案し,今後の課題として研究してまいりたいと存じます。 なお,予定地として御提言のありました桑野スポーツ広場は,現在暫定広場としてスポーツ少年団等地元団体の利用に供しておりますが,将来的には他の利用を予定しておりますので,適地につきましてはさらに今後多角的に検討してまいりたいと存じます。 なお,その他の御質問につきましては,担当参与等から順次御答弁さしていただきます。 ◎参与(安井英二君) 国土利用計画法違反に関する一連の御質問についてお答えいたします。 まず,照会件数につきましては,2年間で5件でございます。いずれも刑事訴訟法第197条第2項に基づく照会であります。 また,県が県警に告発し,県警が強制捜査をした事例については,ないと聞いております。 次に,検索ミスを防ぐ方法につきましては,本市は届け出の時点で受付台帳に記載し,届け出年月日,受付番号,届け出物件の所在から検索が可能であり,県から審査結果報告時点で再チェックして記載漏れないように注意をしております。 また,刑事訴訟法第197条に基づく照会につきましては,本市は国土利用計画法23条に基づく受付窓口としての経由事務を担当しており,届け出先は県知事ですので,第一義的には県が照会に回答しており,回答の正確性を期すため,本市にも同一の内容につき照会があった場合のみ,県と連絡,チェックの上,回答をいたしております。 以上です。 ◎教育長(奥山桂君) 朝鮮学校生徒への暴行,差別発言の教育的教訓に関します一連のお尋ねにお答えを申し上げます。 まず,社会科で民族問題について扱っているが,どういう中身で扱っているのかというお尋ねでございますが,歴史的分野におきましては,民族問題がもとになって第1次世界大戦が起きたこと。その後,民族自決の運動によって独立国をつくろうとする動きが出てきたこと。朝鮮半島で独立運動が起こり,それを日本が軍隊を派遣して抑えたことなどを扱っております。公民的分野では,人権擁護の立場から,在日韓国人,朝鮮人,アイヌ民族への差別など,不当な扱いが残っていることを扱っております。このようなことを扱う中から,それぞれの民族の持つ文化のすばらしさを認め合い,互いに尊重し合うことの大切さを学習しております。 次は,在日朝鮮・韓国人70万人が強制的に日本に連行されてきたという歴史的事実をきちんと表記してあるかというお尋ねでございます。現在,岡山市の中学生が使用しております歴史的分野の教科書には,約70万人の朝鮮の人々が強制的に日本内地に連行され云々というふうに記述されております。 次は,従軍慰安婦についての記述はどうかというお尋ねでございますが,中学校の教科書にはその記述はありません。 最後は,今回全国的及び岡山市での具体的な民族差別事件について,教育長の率直な感想,市教委としての対処についてのお尋ねでございます。 現在,各地で起こっております朝鮮人学校の児童・生徒に対するさまざまな行為は,在日韓国人,朝鮮人の人々に対して,根強い差別意識を持っている人が残っているということではないかというふうに思うわけでありまして,まことに遺憾なことと受けとめております。御案内の昨年の坪田譲治文学賞を受賞されたイ・サンクムさんの書かれた「半分のふるさと」,御存じだと思いますが,あれから国籍や民族は違っていても,しかも厳しい条件のもとでも,人間のとうとさ,尊厳さを認め合えるということを実感しております。人間のとうとさに目を開く取り組み,これは私どもが現在力を入れておることではありますけれども,さらにこの教育を一層進めてまいらねばならないと,そういうふうに思っておるわけでございます。 以上でございます。     〔5番近藤昭君登壇〕 ◆5番(近藤昭君) 市長が,当初在日70万人の朝鮮・韓国人に対して差別と迫害の歴史について,真摯な感想はという質問について,まことに遺憾と思うとかですね,一般的に相互の人権,友好を深めたいという,そういうお答えであったわけでありますが,十分私は納得しているとは言いがたい状況でありますが,いずれにしても1930年代との近似性の問題につきましては,今後の議会の中でも十分市長の理念と哲学,文化と芸術性について明らかにさして,お互いにいけばというふうに思います。 あと教育長,問題はですね,今中学社会の公民的分野と中学社会の歴史的分野,この2つ,2冊を今学校で使用をされています。率直に言って,読んで率直な感想を言いますと少々驚いたんですね。どう驚いたのか。私どもが中学時代に習っていた社会科とはもうほとんど中身が違います。どう違うのか。実はですね,日朝関係についても1875年に私どもは江華島事件というふうに習ったわけですが,きちっとルビでカンファド事件というふうにきちっとルビが朝鮮語で打っています。そういうとことか,軍事力を背景に不平等な日朝修好条規を朝鮮に認めさしましたというふうにですね……,はい,いよいよイエローカードが出てまいりました。 で,あとはですね,1894年,明治27年の甲午農民戦争,指導者であるチョンボンジュンさんに対して,反封建,反侵略の戦いを続け,日本軍にとらわれ処刑されたと,こういうふうにはっきり出とるんですね。日本は朝鮮侵略をさらに強めていきました。201ページであります。こういう記述がずっと,関東大震災の,無抵抗の朝鮮の人々を多数虐殺する事件が起きましたなどという記述がずっとこう出てありまして,大変日朝の関係について,いわば踏み込んだ歴史的分野の中で書かれてあるということで,正直言って率直に言って驚いた。それが1つ。もう一つ驚いたことは,にもかかわらず,なぜ今の中学生,高校生以上の日本人が,その核査察を問題にして民族差別,民族排外を暴力行為として,この岡山でさえとおるのかという疑問,率直なそういう疑問であります。ここまで中学社会の歴史と公民的分野の中で,教育長がおっしゃるような中身で教わっているにもかかわらず,なおかつ差別が続く。引き続き明らかになってきつつある状況であります。で,どういう自立に向けた教育の保障を一体教育委員会はされておるのか。これは民族的ないじめの問題であります。いじめという,いじめは死を強制をするわけでありますから,そういう意味ではいじめの中に入るわけですが,民族が民族に対するいじめ,いわばジノサイド,虐殺行為なんですね。そういうふうにやっぱりとらえるべきである。社会科ではこんなに教えているのに,なぜそんな朝鮮人に対する,韓国人に対する民族差別言動や差別発言が行われるのかということが,これもまた奇異な感じで一つあったわけであります。したがって,そういう点について率直にお答えを願いたいということと,それからあとは従軍慰安婦の問題でありますが,ここに記述をされています。ないというふうに言われたわけでありますが,ここですね,朝鮮から約70万人を強制的に日本内地に連行して,鉱山などで働かせ,若い女性も挺身隊として強制動員をしたと,こういう記述があるわけですが,これはぜひ従軍慰安婦として強制連行したというふうに書き改めるべきだと思いますが,以上の点で再度お答えを願いたいと思います。 ○副議長(串田務君) 当局の答弁を求めます。 ◎教育長(奥山桂君) 再質問にお答えを申し上げます。 具体的な日本の侵略的な行為については,学んでおるのになぜチマチョゴリを切ったり,それから言葉でのいじめのようなことをやるのかということでございますが,これはちょっと話を別な方で言いますけれども,いじめをしていいというようなことを知識として持っている者はないと思うんです。ところが,それを実際にやる。言葉や知識の上ではそう思っておるが,行動としてはそういうことをやるということが一般的にたくさんあります。これは大人の社会でもあります。このあたりのところが一つ問題でありまして,そういうことが起こらないような人づくりをしなきゃならない。そのことが今の教育の非常に大きな問題で,そのための意識改革を今やらなきゃならないということで,今私ども貴重な提言をもとにですね,例の提言をもとに私ども力を注いでおるということでございます。なぜかというのは,そういうふうな仕組みの中で起こっておる,私どもはだからそういうことが起こらない人づくりを基本的なところ,ただ知識だけでなしに基本的なところへメスを入れなきゃならないということだと思っておるわけであります。 それから,もう一つの従軍慰安婦として強制連行をしたというふうに書くべきだという御指摘でございますが,この件につきましては文部省の教科書検定ということでもっと専門的な陣容のもとで,この辺のことはよく検討をしていただいて,真実が伝わるようにしてもらわなきゃならないと思います。 そういうことでございますので,御理解をいただきたいと思います。     〔5番近藤昭君登壇〕 ◆5番(近藤昭君) こういう,日本人が朝鮮人に対する差別襲撃が続くということは,被害者の方から見れば,日本人一般に対して差別者なんかという意識を,これは持つんですね。これは単なる被害者意識だけということだけで済まされない問題でありまして,在日朝鮮・韓国人の皆さんから見れば,日本人を見りゃ全部襲撃をしてくるんではないのか,差別発言を起こすんではないのかという恐怖感にとらわれるということが,一方では被害者の立場でありますから,そのことに十分私どもは思いをいたさなければならんと思います。 今教育長から,基本的なところへのメスというふうに御回答があったわけですが,どういう基本的なところへのメスをどう入れるのかということについて,再度理念についてお答えを願いたいということと,そして教育委員会委員長も何かございましたら,どうぞお一言御見解を述べていただきたいと思います。 以上で質問は終わりたいと思います。 大変御清聴ありがとうございました。 ○副議長(串田務君) 当局の答弁を求めます。 ◎教育長(奥山桂君) どうも答弁原稿がありませんので,説明がまずくて御理解をいただいていないようでございますが,メスを入れるということは,結局は人づくり,差別をしない,そういう人間をつくるのにはどうしたらいいかと,そこへメスを入れるということでありまして,それは端的に言えば自立した人間と,本当に自立を追求していく人間をつくれば──この説明はまた長くなりますから,また別な機会にさしていただきましてですね,そのことがメスを入れることだというふうに私どもはとらまえておるわけでございます。 以上でございます。      ───────────── ○副議長(串田務君) 本日はこれをもって打ち切り,次の本会議は明日午前10時に開き,引き続き個人質問を行います。 本日はこれをもって散会いたします。 御苦労さまでございました。      午後4時10分散会...